見出し画像

あの手この手で注意喚起する

以前、「Stop、Hold、Close」という
フレーズを紹介したことがある。
ショッパーマーケティングの鉄則
として、よく使われているものだ。

ショッパーというのは、
ショッピングする人のこと。
「お客様」と言い換えても良いのだが、
店頭でショッピングする人と、実際に
消費する「消費者」とを区別する
ために
あえてそう呼ぶことがある。

3つの意味を再掲しておこう。

Stop(ストップ):歩行者を売場に立ち止まらせる
Hold(ホールド):そこに足を引き止めさせる
Close(クローズ):購入する意思決定へと導く

これらすべての役割を果たすもの、
それが「パッケージ(包装)」である。

派手な見た目だったり、一目見て他とは
一線を画するデザイン
だったり、棚の中で
目立つ
パッケージであれば、
「おっ?!何だろう?」
とばかりに歩行者を売場に立ち止まらせる
(Stop)効果
が期待できる。

そして、そこに書いてあることが
ショッパーの琴線に何かしら引っかかる

内容であれば、つい立ち止まったまま
(Hold)見入ってしまう
だろう。

更に、それを見入った結果、自分のニーズを
満たしてくれそう
だったり、抱えている問題を
解決してくれそう
だと判断すれば、それを手に
取ってレジに向かう(Close)
ことになる。

小売店の棚というのは、そんなショッパーの
注意力の奪い合いが行われている「戦場」

言えるだろう。
みんな、あの手この手で、自分たちの出す
商品に注意を引っ張ろうと工夫を凝らす。

そんな工夫の一つで、ユニークなものを最近
発見した。
こちらのプリンキャンディである。

Kasugaiと言えば、「キシリクリスタル」
いうのど飴で有名だ。
昔よくCMで流れていた「グリーン豆」の方が
馴染みがあるだろうか。

そのKasugai(春日井製菓)の新商品らしき
キャンディなのだが、パッと見たとき、
私は印刷をミスした商品が紛れ込んでいる
のかと正直思ったのである。
思いっきり、文字が左右反転している。

しかし、下の方をよく見ると、
「ノンシュガー」に続く注釈は普通に
書かれており、そこに続けてこんな
言い訳が書いてある。

この商品は左右反転デザインで、喫茶店の窓ガラスに透けるポスターを表現しました。

棚には2つほど並んでおり、他の1つは
通常の印刷になっていたのも、余計に
これが印刷ミスだと思わされた要因だった。

文字が反転していることによる「違和感」を
使って、人の注意力を獲得
しようという、
なかなか凝った策略である。

とりあえず話のネタとして買ってみたが、
一般のショッパーがどこまでこれで
「Close」されるのか、正直なところ
あまり期待は持てない
気がする。
今後の動向が分かるようであれば、
是非ここで再び取り上げてみたい。

いいなと思ったら応援しよう!

ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。