「日本一態度の悪いレストラン」が人気
全国のZ世代12万人を対象に実施
されたというトレンドランキングの
記事を眺めている中で、
「ネクストトレンド予想」という
パートにとても気になるものが
出て来た。
それが、
「日本一態度の悪いレストラン
(the LAZY HOUSE)」
というもの。
その名の通り、接客態度が極めて
悪いレストランである。
コップや料理の置き方だけでなく、
言葉遣いがとんでもない。
記事を読んでいただけば分かる通り、
「早く歩け!」
「動画とかいいから早く歩け!早く!」
と罵られながらテーブルへ案内。
オーダーの際には、
「てめえら飲み物飲まねぇの?」
「おい!全然切ってないピザか、
めちゃくちゃに切ったピザか?」
というような態度であおられる。
会計時には、
「もう帰っていいよ。
金払ったからもう用ない」
と追い返されるというのだ。
ただ、扉をまたぐ前と後とで態度を
変えているそうで、
またぐ前は通常の丁寧な接客。
またいだ瞬間から上記の失礼な
態度に店員が豹変する様子。
今年7月のオープン以来、連日満員の
人気を呼んでいるこのレストラン。
あくまでも、接客態度の悪さを
「ネタ」として戦略的に活用し、
お客様の「非日常を体験したい!」
というニーズを満たしているという
わけだ。
一般人、常識人であれば、
そんな失礼な態度をとる店員が
いる店に行こうとは思わない。
口コミで「あそこは最悪!」と
書きまくる人こそいるだろうが、
喜んで通おうとするマゾ気質の
お客様はかなりレアな存在だろう。
それでも、あえてそんな接客態度を
ウリにしてレストランを運営し、
それが「新鮮!」「面白い!」と
話題になるのだから、何とも興味
深いところである。
Z世代向けのトレンド予想なので、
私を含む30代より上の世代にとっては
「そんなのが流行るのか?!」と
とても奇異に感じるかもしれない。
Z世代と言っても、一括りにするのは
実はリスクが大きい。
中学生から28歳までを対象にした
調査とあるが、
どう考えても今の中学生と高校生、
大学生、そして社会人は、それぞれ
ライフステージが大きく異なり、
似たようなニーズを持っているなどと
考えるのは狂気の沙汰である。
そんなZ世代に共通するトレンドと
しての予想をしたところで、
どこまで正確かは甚だ怪しいところ。
とは言いながら、コンセプト自体の
「尖り」具合が半端ないので、
Z世代に限らず人気が出ること自体は
大いに理解できる。
最初のうちは、お客様なのに罵倒される
という物珍しさで集客できたとしても、
そのうち飽きが来る可能性は高い。
一過性の流行りで終わるのか、
それとも中長期的にお客様に愛される
お店として継続していけるのか。
何がカギを握るのかを早々に掴むことが
できるか否かがカギだ。
今後の行く末がとても楽しみである。