お客様は4回評価する
最近、某調査会社さんとの打ち合わせで、
資料の中に「FMOT」「SMOT」という
単語を見かけました。
これらは一体何かというと、
「First Moment Of Truth」
「Second Moment Of Truth」
の略語なのです。
「Moment Of Truth」は、
「真実の瞬間」と訳せる言葉。
このnoteを書き始めてまだ1年も経たない
ちょうど4年前、正に同じ言葉をタイトルに
使って記事を書いたことがありました。
スカンジナビア航空のサービス戦略の
秘密を解き明かした本のタイトルであり、
彼らの追求していたコンセプトそのものを
指す言葉です。
上記の記事内で、以下のように紹介を
しました。
端的に言い換えると、
「お客様との関係性を決める重要な接点」
を指す言葉。
この「接点」を、
「First」つまり最初と、
「Second」つまり2回目があるよ、
というように分解をしたのが、
「FMOT」であり「SMOT」でして、
このような考え方を提唱したのは、
マーケティングでは右に出る者のない
あのP&G社だと言われています。
この「FMOT」というのは、店頭において
お客様が商品と初めて出会った瞬間を
指す一方で、「SMOT」の方は、店頭で
購入したものを家に持ち帰り、そこで
実際に使い、体験する瞬間を指す概念。
そして、お客様は「FMOT」でトライアル
するか否かを決め、「SMOT」でリピート
するか否かを決めているのだ、という
調査結果だったとのこと。
更に、「FMOT」の手前に「ZMOT」と
いう瞬間もあります。
「Zero Moment Of Truth」、すなわち、
店頭で購入するよりも前に、ネットで
商品レビューを確認する等の下調べを
多くの人がしていますよね。
これをもって、「ZMOT」と呼んでいる
わけです。
最後に、「SMOT」の後にも追加が
あるのです。
「TMOT」=「Third Moment Of Truth」
ということで、リピートした後に愛着が
生まれ、ロイヤル顧客としてヘビーに
リピートする意思決定をする瞬間がある
ということになります。
これらを時系列で並べると、
「Zero」
「First」
「Second」
「Third」
の4つとなります。
そんなわけで、タイトルにある
「お客様は4回評価する」という言葉に
つながりました。
この「4回」の顧客接点で、
お客様にどのような価値提供を行い、
ブランド体験をしてもらえるか、
そこに大きな成果を出せるか否かが
かかっています。
一つひとつ着実に階段を上るように、
「ZMOT」から「TMOT」まで、
価値をどのように提供できるかが、
マーケターの腕の見せ所ですね。