鳩の落穂ひろいが何を教えてくれるか
稲刈りが終わって、稲架掛けを
している田んぼの隣の田んぼに、
鳩の大群が押し寄せて落ち穂を
ついばんでいた。
刈った直後だと、それなりに多くの
落ち穂があるのだろう。
人口密度ならぬ「鳩口密度」が非常に
高い状態で、あちこち動き回る様子を
見ていたところ、時折そこにカラスも
降り立って来た。
鳩の動きは、とにかく一心不乱に、
あたり構わずせっせとついばんで、
自分の腹を満たそうという感じに
見えたのに対し、
カラスの動きは、鳩がいるところに
割って入って、鳩を追いやった上で
自分のスペースをある程度確保し、
落ち穂をついばんでいるように
見えた。
カラスがどんな意図でそのような行動に
出ているのか、専門家ではないので、
詳しくは分からない。
だが、素人目線なりに分析すると、
鳩が多いところには落ち穂も多いという
「あたり」をつけて、効率よく食事に
ありつこうとしているのではないか、
そんな感触を持ったのである。
この観察は、我々の人生に何らかの
良いヒントをもたらし得るのでは
なかろうか。
そんなことをふと思ったので、
ここにメモとして残す次第だ。
例えば、軍隊に見立てて、
鳩は兵隊、カラスは上官、
と捉えることができる。
大量の兵隊(鳩)を動員して探索を行い、
自分(カラス)は上空から一旦観察して
最も効率が良さそうな場所を見つける。
そして、ベストな場所に自ら降り立ち、
軍としての目的を速やかに果たす。
会社の競争環境に見立てて、
鳩は競合他社、カラスが自社、
とも捉えることができる。
競合がうようよひしめいている、
ということは何かしら「おいしい」
市場がある、お客様がいる、という
ことに他ならない。
最も競合の多いレッドオーシャンに
力づくでお客様を奪いに行くか、
比較的競合の少ないところへ出て
効率的にお客様を獲得するか、
戦略を立ててから具体的な行動に
移る際のヒントを予め得る。
目の前にたまたま現れた、
秋の季節の一コマ。
若い頃の私だったら、
特に何を思うこともなく
通り過ぎていた可能性が高い。
しかし、正に「落穂」ひろいのように、
世の中に落ちている「ネタ」ひろいを
積極的にやろうと意識していると、
この鳩の落穂ひろいのような何気ない
風景にも、何かしらヒントが得られる
のでは!?と反応することになる。
この「意識」、
言い換えれば「アンテナ」を張ること、
これが世の中にあふれている「ヒント」を
つかむためには欠かせない。
自分にとって興味関心が深いもの。
家族の健康に役立ちそうなもの。
会社人生で有益に使えそうなもの。
社会貢献になりそうなもの。
何かしら基準を設定して、
しっかりと「アンテナ」を立てる。
数多くの「ヒント」を日々キャッチする
ために、是非心がけたいポイントである。