Top global consumer trends 2025
ユーロモニター社というリサーチ会社が
来年世界的な消費者トレンドになると
予測したテーマを発表しました。
彼らの予測によれば、
以下に取り上げた5つのトピックが
トレンドとなるであろうとのこと。
資料は英語なのですが、
日本語に訳して、かいつまんで
ご紹介したいと思います。
1.Healthspan Plans
人々は長生きするだけでなく、
健康に長く生きることを目指しています。
予防的なソリューションや、特定の健康
問題に焦点を当てた製品が求められており、
テクノロジーと個別化されたアプローチが
重要です。
健康管理のためのスマートデバイスや
サプリメントの需要が増加しています。
「Lifespan」という言葉は「寿命」を
意味しますので、「Healthspan」というと
「健康寿命」というニュアンスになるので
しょうね。
ここ数年日本でも「健康寿命」は大きな
トピックであり、来年も引き続き消費者が
大きな関心を寄せる分野であることは
間違いないでしょう。
2.Wiser Wallets
消費者は支出に戦略的で、
即時的な価値だけでなく、
将来のニーズを見越して選択しています。
支出の計画性が高まっており、特に価格と
品質のバランスを重視する傾向があります。
ブランドは、長期的な価値を提供する
キャンペーンやインセンティブを通じて
顧客の忠誠心を高める必要があります。
直訳すると、「より賢い財布」。
日本でも直近ではインフレが徐々に進んで
きておりますが、生活防衛のために
「戦略的な支出」へと動かねばならない
事情は、世界共通ということでしょう。
3.Eco Logical
消費者は環境に配慮した選択をするものの、
その判断基準には実際の利益も重視されて
います。
サステナビリティを主張する製品には
具体的な証拠が求められ、環境への配慮と
共に製品の効果や品質が重視されています。
「Ecological」(環境にやさしい)
だけではダメで、
「Eco」+「Logical」
(環境にやさしく、かつ合理的)
という言葉そのものですね。
4.Filtered Focus
消費者は選択肢の多さに圧倒されており、
より簡単で直感的な選択肢を求めています。
ブランドは、明確なコミュニケーションと
ユーザー体験の最適化を重視し、簡単に
理解できる製品情報やサービスを提供する
ことが求められます。
あまりにも選択肢が多いと、人は選ぶのが
面倒になるというのが、行動経済学の知見
として有名なところ。
予め、最適な数に絞ってオプションを提示
しましょうということですね。
5.AI Ambivalent
AI技術、特に生成AIへの期待は高いものの、
その限界や問題点も浮き彫りになっています。
消費者はAIの透明性や意図的な使用を求め、
企業は人間の監視とAIの活用のバランスを
取る必要があります。
AI関連の話をトレンドとして取り上げない
という選択肢は考えられませんよね。
今年はChat GPT人気に一気に火が点いた
年だったと思いますが、今後は多少の
揺り戻し的な動きもあるのでしょう。
とはいえ、間違いなくこれからもAIの
進歩は続き、誰にも止めようがないのは
明らかです。
「アンビバレント」というのは、
「相反する意見を持つさま」
「相反する感情が同時に存在するさま」
という意味合いです。
止めようのない進化を続けるAIに、
期待と不安が同居する現在。
現実がどう動こうとも、目を離せない
状況であることだけは間違いないと
いうところでしょうか。
以上の5つをざっと眺めてみて、
特段「サプライズ」と呼べるものは
なかったように思われます。
さはさりながら、
企業が消費者のニーズに応じて価値を
提供し、より一層深い信頼関係を築く
ための重要な指針として、ここに紹介
されたトレンドを意識しておくことは、
事業活動上必ずプラスになるのでは
ないでしょうか。