見出し画像

SDGsウォッシュ

「グリーンウォッシュ」と言う言葉が
ある。
いかにもグリーン=環境問題に
取り組んでいるかのように見せて、
実態が伴っていないことを揶揄する
言葉だ。

その言葉をもじって、
「SDGsウォッシュ」なる言葉も
最近はあるらしい。
就活生に、自社をことさらよく
見せるために、
「我が社はSDGsにしっかり
 取り組んでますよ!」
とアピールするものの、実態が
伴っていなければ、まさに
「SDGsウォッシュ」であろう。

「ウォッシュ」というのは、
「ブレインウォッシュ」つまり
「洗脳」から来ている言葉だろう、
と勝手に思い込んでいた。
ところが、「漆喰」や「上辺だけ
取り繕うこと」という意味の
「ホワイトウォッシュ」という言葉が
あり、それと引っ掛けた造語だ
ということを今回改めて知った。
つまり、「環境に配慮しているように
上辺だけ取り繕っていること」を
「グリーンウォッシュ」というわけ。

いずれにしても、
「ウォッシュ」という言葉には、
「洗う」「洗い流す」という
意味に加えて、
「表面を取り繕う」意味合いが
含まれている。

マーケティング、とりわけ
コミュニケーションの分野においては、
消費者や視聴者の意識、無意識に
働きかけて、「認知の変化・変容」を
もたらすことが重要な目的である。
そのため、一歩間違うと「洗脳」
とも取られかねない。

「認知の変化・変容」と
「洗脳」との境界線は、
一体どこに引けばよいのであろうか?
とても悩ましい問題であり、
また解決策がそう簡単に見つかる
とも思えない問題でもある。

「セクハラ」に代表される
「ハラスメント」は、
その受け手が迷惑だと感じる限りは
「ハラスメント」になるとされる。
その考え方を援用するのが、
最もしっくり来るような気がする
のだが、どうだろうか?

つまり、
「マーケティングコミュニケーション」
のうち、受け手が
「それは洗脳だ!」
と受け取ってしまうものであれば、
それは「洗脳」に入るということ。

いざ「洗脳」だと評価されてしまうと、
どんなにいいことを言っていても、
倫理的に許されない、
という評価になる。

なので、あくまでも
「認知の変化・変容」をポジティブに
生じさせるという評価が得られる
ように、コミュニケーション設計を
しなければならない、
と結論付けられよう。

では、「洗脳」と受け取られない
ようにするには、言い換えれば
「認知の変化・変容」をポジティブな
ものとして受け取ってもらうためには、
一体どうすれば良いのか?

そのカギが、「ウォッシュ」という
言葉のニュアンスにあるのかも
しれない。
あくまで「表面」だけをなぞるような
ものがダメだ、というのが
「ホワイトウォッシュ」であり
「グリーンウォッシュ」だ。

つまり、
「内面」「根本」と
「表面」とは全く違うのに、
さも同じであるかのようなフリを
するから問題となるわけで、
実際にしっかりと一致していれば
問題にはならないはずだ。

結論としては、
目指している「認知の変化・変容」が、
どこまで行っても一本筋が通っている、
一貫性が保たれている、
煮ても焼いても全くブレない、
ということがコミュニケーションに
おける最重要ポイントである。
そんな風に考えるのが良いのでは
ないかと自分の中では腹落ちした。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。