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ブリヂストンが力を入れるソリューションビジネス

日経ビジネスの記事に、
ブリヂストンが脱「モノ売り」
進めていることの成否に、市場が
注目しているという趣旨のことが
書かれていた。

以前、ブリヂストンのMoboxという
ソリューションサービスについて
書かせてもらったことがある。

これは、タイトルからも推測できる通り、
一般ユーザー向けに、タイヤ並びにその
メンテナンスを提供するB2Cのサブスク
サービス
である。
タイヤという「モノ」を売るにとどまらず、
快適に走るという「ソリューション」
売るということだ。

上記の記事で取り上げられていたのは、
9月20日からサービス開始となった
「タイヤマティクス」というもの。
一般ユーザー相手というよりは、
バスやトラックが対象の事業なので、
それらを運用するバス会社、運送会社
向けのB2Bサービス
である。

タイヤの空気圧と温度を遠隔監視して、
異常を感知したら速やかに運転手に
知らせが来る。
それを受けて、すぐにバスやトラックを
停車すれば、事故を未然に防ぐことが
可能になるという段取りだ。

これも、Moboxと同様に、
タイヤという「モノ」を売ることから、
安全なタイヤで、安心して快適に走る
という「ソリューション」を売っている
わけである。

マーケティングの基本的な考え方の
1つとして、お客様は「モノ」自体が
欲しいわけではなく、あくまでもその
モノから得られる「ベネフィット」
欲しいのだ、というものがある。

「ベネフィット」は、日本語にすると
「便益」などと訳されるが、もう少し
分かりやすく表現するなら「メリット」
「嬉しさ」
などの方が良いだろう。

ブリヂストンは、タイヤを作って、
それを売るのが商売である。
お客様は、そのタイヤを買った上で
使ってくれるわけだが、もしかしたら
近い将来、車を手放してバイクに乗る
かもしれないし、電車などの公共交通
機関を使うかもしれない。
タイヤそのものが必要なのではなく、
ある地点から他の地点にスムーズに
移動することさえできればよい
のだ。

ここをしっかり理解しておかないと、
企業はマーケティングを間違う。
あくまでも、顧客が必要としている
「ベネフィット」を提供することで、
そのニーズを満たすことが重要
なのだ。
自分たちが作ったり売ったりしている
「モノ」を渡しただけでニーズを
満たせるとは限らない
わけで、
モノ自体にフォーカスするのは危険
なのである。

この点、ブリヂストンは、B2B/B2C
共に、「マーケティング近視眼」に陥る
ことなく、お客様のニーズをしっかりと
見据えてビジネスを展開
しようとする
意図が感じられ、流石である。

なお、蛇足ながら最後に少しばかり。
今回の新サービスを手掛けているのは、
「ブリヂストンタイヤソリューション
ジャパン株式会社」
という、舌を噛み
そうな名前のグループ会社だ。

上記リンク先のPRリリースを見る限り、
カタカナ語が多用されており、
注釈もやたら沢山付されている
PRコミュニケーションにあたり、
もう少し分かりやすい表現
親しみやすい見せ方をした方が、
顧客に浸透しやすくなるのではないか。
余計なお節介ながら、そんなことを
感じた次第である。

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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。