「ぜんぶとうふ化作戦」!?
最近、Advertimesで連載されている、
アサヒコ代表取締役・池田未央氏の
コラムがとても興味深い内容です。
4回目となる今回のテーマは、
「豆腐のフルコース」はなぜ日本で
成功したかということで、
冒頭の方でいきなり
「ぜんぶとうふ化作戦!?」
という投げかけがなされていました。
この作戦名は、
アサヒコ社内のプロジェクト名、
あるいはスローガンと言い換えても
良いかもしれません。
食事の前菜からデザートに至るまで、
とにかく全メニューを「とうふ」
ベースでつくってしまうという、
普通の人だとなかなか考え付かない
ような企画ですよね。
日本人の食事がすっかり西洋化した
とはいえ、まだまだ和食文化の色が
濃く残っている我が国。
アメリカ人は肉類を年間100㎏食べる
のに対して、日本人は40㎏程度に
とどまるそうです。
その分、日本人は歴史的に、たんぱく源
として肉類よりも大豆により多く頼って
きたことは、多くの人の知るところでは
ないでしょうか。
現代のように畜産が容易ではなかった
昔は、とうふのような大豆からつくる
食品で必要な栄養を得てきたのです。
「がんもどき」というのは、
諸説あるものの、鳥の「がん(雁)」に
味を似せて作ったところから
名付けられているなど、昔の日本人は
様々な工夫をして、たんぱく源をより
美味しく食べるように工夫をしてきた
わけですね。
その意味で、アサヒコの取り組みは、
昔ながらの日本人の知恵を現代に
よみがえらせたものと解釈することも
可能かもしれません。
こうしたコンセプトに共鳴してくれる
人は多そうですが、この内容が確実に
消費者に伝わらない限り、どれだけ
頑張って世に訴えてみたところで、
とうふの消費量は増えませんよね。
消費者の方々に対して、
自分たちの訴えを確実に届けるには、
どうすればよいでしょうか。
アサヒコは、自分たちの考え方を
消費者に確実に届けるために、
いかに店頭の売場を活性化させるかに
じっくり取り組みました。
5つの「S」、すなわち
このような消費者の実際の店頭行動を
常に意識しながら、目を引く色遣いの
売場における什器を提案し、統一感を
持ったパッケージデザインを採用する
など、スムーズに購入へと流れやすく
するべくコミュニケーション開発を
行っているようです。
非常にオーソドックスで、
基本に忠実なマーケティング活動を
推進しているように見える
アサヒコは、今後もまだまだ大きく
成長することが見込めるのでは
ないかと感じました。