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「エグゼクティブ」の定義
毎週日曜日の読書勉強会で
読み進めている、ドラッカーの
『プロフェッショナルの条件』。
「すべての者がエグゼクティブ」
という小見出しの節(68頁)を
読み進めたのだが、この
「エグゼクティブ」とは何か?
ということが非常に興味深い。
定義を確認する前に、何となく
イメージとして湧くのは、
「会社の偉い人」といったところ
ではなかろうか。
Wikipediaや辞書で確認してもいいが、
ここは流行りのChatGPTに訊いてみる
ことに。
私:エグゼクティブとは何ですか?
ChatGPT:「エグゼクティブ」とは、経営者や管理職など、組織の指導者または上級管理職を指す用語です。彼らは、組織のビジョンや戦略を策定し、それを達成するために必要な措置を決定し、その実行を監督する責任を持っています。エグゼクティブには、CEO(最高経営責任者)、COO(最高オペレーティング責任者)、CFO(最高財務責任者)、CIO(最高情報責任者)など、様々な役職があります。
やはり、「会社の偉い人」で
間違いなさそうだ。
しかし、ドラッカーの指摘では、
「すべての者」がエグゼクティブだと
なっている。
全員が会社で偉いわけではないだろう。
となると、ドラッカーの使っている
「エグゼクティブ」の定義が、
一般のそれとは異なるということだ。
彼の定義はこうである。
自らの知識あるいは地位のゆえに、組織の活動や業績に実質的な貢献をなすべき知識労働者は、すべてエグゼクティブである。
ただ言われたことをやるだけの、
機械に代わられても仕方のない
「純粋な肉体労働者」など
もはや存在しない。
みな、何らかの知識を用いることで
組織活動の一端を担い、
業績への貢献を目指す。
そうである限り、組織の成員誰もが
「エグゼクティブ」なのだ。
その端的な例として、ベトナムの
ジャングルにおけるゲリラ戦では
兵士全員がエグゼクティブである
ことを挙げる。
ゲリラ戦では、最前線の兵士が、
刻一刻と変わるその場の状況次第で、
都度最適な意思決定をせざるを
得ない。
現代の知識労働者が置かれた状況も、
似たようなものということだ。
現場で起きたすべてについて、
いちいち上司に判断を仰ぐなどと
いうのは非現実的であり、
状況を見て「現場判断」で進める
のが当然である。
ところで、広告代理店では、
営業担当が
「アカウントエグゼクティブ」
というタイトルを持っている
場合が多い。
これもChatGPTに訊いてみると、
広告代理店やマーケティング会社などの企業において、特定のクライアントのアカウントを担当する責任を持つ上級営業担当者のことを指します。
との回答が即座に返って来た。
私の感覚では、必ずしも「上級」に限らず、
現場で直接クライアントとやり取りする
「担当者」レベルの方々の肩書、
というイメージなのである。
この疑問をぶつけたら、ChatGPTに
エラー発生。
質問に答えられるほど、日本語でのAI
学習が進んでいないのかもしれない。
広告代理店が、営業担当者の仕事に対する
モチベーションを上げるために、
このような肩書を意図的に活用し始めた
のではないかと仮説を持ったのだが、
いずれにせよ「エグゼクティブ」という
言葉を与えられたら、それに堪え得る
仕事ぶりを発揮したいという気持ちが
芽生えるように思う。
知識労働者は、みな「エグゼクティブ」。
知識を用いて、レベルの高い仕事を行い、
組織が成果を出すことに貢献を果たす
こと。
改めて、肝に銘じておきたい。
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