自分は一体「何屋」か?
例えば、自分がケーキ屋さんだとする。
自分を「ケーキ屋」と定義すれば、
自ずと他の「ケーキ屋」との競争だと
いう意識が働く。
東に絶品チーズケーキがあると聞けば
視察に行き、
西に最高のティラミスがあると聞けば
食べに訪れる。
消費者の視点から見ると、
確かに「ケーキ屋」は「ケーキ屋」なの
だが、ケーキを食べたいときもあれば、
どら焼きを食べたいときもあり、
せんべいがいいなというときもある。
つまり、「おやつ」というくくりで
考えたときには、
ケーキとどら焼きとせんべいが競合
しているわけだ。
場合によっては、
ケーキよりもお花がいい、
いや小さいハンカチがかわいい、
やっぱりハンドクリームがオシャレ、
などということもあり得る。
これは、「プチギフト」というくくりで
ケーキが直面する競争だ。
自分は「ケーキ屋」である、そのように
自己定義して、美味しいケーキ作りに
邁進し、お客様に喜んでもらうことは
素晴らしい。
しかし、自分のケーキを買ってくれて
いるお客様が、なぜ自分の店でケーキを
買ってくれているのか、できるだけ
こまめに耳を傾けてみるべきだ。
自分が想像していたのとは、大分異なる
理由を口走ってくれるかもしれない。
そして、そのような「予期せざる」
お客様ニーズの充足を発見できたら、
それは大きなビジネスチャンスへと
つながる可能性が広がっているという
こと。
そういうときに、自分のビジネスの
定義を刷新する。
「ケーキ屋」が妥当なのか?
「スイーツ店」に広げるか?
「プチギフト店」を狙うのか?
あるいは何か他のくくりはないか?
この定義次第で、競合が変わってくる。
競合が変われば、適切な対策、打ち手も
変わる。
それもこれも、お客様が自社商品を
どのように評価してくれるのか、
そこがカギとなるだろう。
一度決めたら終わり、ということではなく、
定期的に、何度も何度も、
「自分は何屋なのか?」
を自問自答し、常に最適解へと近付く
努力を続けること。
そうすることによって、
新しいマーケットへの道が拓かれる。
あなたは、何屋ですか?