作業を減らす、会議を減らす
日本人の労働生産性が低いという話は、
私が社会人生活を始めた30年近く前に
既に言われていたと記憶している。
その後も、長きにわたってずっと
言われてきた。
日本生産性本部のウェブサイトに
よれば、昨年2022年の国際比較で、
時間当たり生産性がOECD38か国中
27番目。
1人当たりの生産性が29番目。
2000年前後のデータも残っている
ので覗いてみたが、OECD30か国中
20番目前後をウロウロしている状況
となっており、先進7か国中最低の
状況はほぼずっと変わっていない。
生産性が低いままに留まっている
ことには、内心忸怩たるものがある。
勿論、私一人でどうなるものでもない。
かといって、自身が本当に生産性の
高い仕事をしているかと言えば、
さして胸を張れる程のこともなく、
モヤモヤする気持ちに堪えないのだ。
日曜日の朝に参加した読書勉強会で、
日本人の生産性に関して少しばかり
議論になり、デンマークから参加した
友人の発言が本質を突いていて、
非常に興味深いものだった。
デンマーク人から見て、日本人は
無駄が多いと見られる傾向にある
ようなのだ。
詰まるところ、日本人は「仕事」では
なく「作業」に費やす時間が多い、
という評価なのである。
確かに、いわゆるルーチンワークに
時間が取られる比率が多い、そんな
組織、会社が多い気はする。
私自身も、どれだけ付加価値の高い
「仕事」ができているか、実のところ
「作業」と呼ばざるを得ないものに
堕している割合が多いのではないか、
そんな思いが去来する。
そうならないためには、何が大切か。
思うに、「これは付加価値を本当に
生むだろうか?」と自らに常に問い
かけつつ、目の前の仕事を真剣に
取捨選択していくことが大切なの
ではなかろうか。
もし、付加価値につながらない、
つながりそうにないと判断できるの
ならば、速やかにそれを手放して、
他の付加価値につながる「仕事」に
手を付けるべきだろう。
同じことは、「会議」にも当てはまる。
むしろ、日本の多くの会社では、この
「会議」こそが生産性向上にとっての
「ガン」であることが多いのではない
かとさえ思う。
会議にも色々な種類があるが、
特に無駄なのは「報告」系の会議。
数字の発表などは、社内の情報共有
システムでサクッとシェアすれば
終わるところ、わざわざ時給の高い
管理職が勢ぞろいして、みんなで
仲良く発表を聞く、そんなところが
まだ多いように聞く。
会議は、あくまでも次の行動を促す
場でなくてはならない。
極力短い時間で済ますこと。
誰が、いつまでに、何を実行するか、
その場で決めて、即座に次に向けて
動き出すこと。
会議をそのような形に進化させる
ことができれば、生産性はグンと
上がるに違いない。
こうやって書いてはいるものの、
自分が思い通りに出来ているかは
全くの別問題。
しかし、書いてしまったからには、
実行できなくては恥さらしなだけ。
なお一層、真剣に取り組んでいく
こととしたい。