「柿の種」をめぐるおはなし
昨晩は、私が所属しているコミュニティの
一つ、「大人の小杉ゼミ」において、
「Effectuation/エフェクチュエーション」
という概念を参加者の皆さんに簡単に説明
する機会をいただきました。
この言葉、概念に関しては、このnoteに
おいて何度も書かせてもらいました。
例えばということで、いくつかリンクを
貼らせていただきます。
人前で話をする以上、プレゼン資料を
パワーポイントで作り込み、
何をしゃべるかの原稿もそれなりに
準備して臨む必要があります。
そんな準備作業をしている中で、
「柿の種」のことをたまたま調べて
いたところ、トリビア的なお話が
色々出て来ました。
まず、「柿の種」というと、
どちらのメーカーを思い浮かべるで
しょうか?
真っ先に、「亀田製菓」が思い浮かぶ
人が多いのではないかと思います。
その方は、実に正しい。
「柿の種」市場における亀田製菓の
占有率は、7割を超えるそうです。
しかし、「柿の種」のオリジナルは、
どちらのメーカー/お店のものか、
ご存知ですか?
実は、「元祖浪花屋」ブランドの
浪花屋製菓が、「柿の種」を最初に
作ったメーカーだったのですね。
レトロなデザインの大きな缶を
覚えている方もいらっしゃるの
ではないでしょうか。
この浪花屋製菓のウェブサイトに、
・なぜ新潟なのに「浪花」なのか?
・なぜ三日月形をしているのか?
・なぜ「柿の種」という名前なのか?
といったウンチクを語れるネタが
全て説明されています。
当初は、あられの型抜きをする金型が
小判の形だったそうです。
創業者の奥様が、この金型を誤って
踏んづけてしまい、三日月形に歪んで
しまったとのこと。
直す余裕がないまま商売を続けていた
ところ、とあるお客さんから、
そう言われたことにひらめいて、
大正13年に「柿の種」と命名し、
売り出したのだそうです。
金型が、偶然事故で歪んでしまった
ことを逆手に取り、そのまま売り続け、
その歪んだ形を活かす形で名付けまで
するあたり、エフェクチュエーション
的な事例、殊に「レモネードの原則*」
に合致したものだと言うことで紹介する
つもりでした。
*偶然をテコとして活用する。
酸っぱくて食べられないレモンが大量に
出来たら、レモネードを作ってしまえ!
という意味合い。
最終的には、時間の都合もあって
プレゼンの中に含めなかったのですが、
ここで紹介するのに丁度良いかも、
ということで取り上げてみました。
ちなみに、元祖浪花屋にとって代わった
亀田製菓は、しばらくの間低迷していた
「柿の種」のテコ入れを図り、かなり
伸ばしているように見受けられます。
少し前の話ですが、タレントの
マツコ・デラックスを起用し、
柿ピーの「柿の種」と「ピーナッツ」の
比率を国民投票に問う!
なんていう興味深い販促を展開して
いました。
柿ピーの「柿の種」抜き、
つまりはピーナッツだけの商品を
出したのも記憶に新しいですよね。
亀田製菓はマーケティング巧者、
今後も色々と面白い商品や販促を
展開してくれるでしょう。