三陽商会の業績が好調
2015年に、バーバリーとのライセンス
契約を打ち切られた三陽商会。
利益の大半を頼っていた看板ブランド
だったと言われていたので、
下手すると本体が潰れてしまうのでは
ないか?
そんな噂がまことしやかにささやかれて
いたのを覚えています。
「ブルーレーベル」
「ブラックレーベル」
といったディフュージョンラインも、
バーバリーの名を冠することができなく
なりました。
その後は、「クレストブリッジ」という
名前を冠して、今も継続しています。
その三陽商会の名前が、つい先日、
妻の口から出てきました。
曰く、「100年コートというのが良い
らしいから、買ってみれば?」との由。
名前が示す通り、100年使えます。
というのは冗談で、それくらい長く
愛されるコートづくりを目指している
というもの。
ものづくりの姿勢の美しさ、
生真面目さが伝わってきます。
高くても、それだけの品質を確実に
備えた、一生もののコートに違い
ない、そんな気持ちにさせてくれる
と言ったら褒めすぎでしょうか。
バーバリーを失うことで、
前代未聞のピンチに陥ったに
違いない三陽商会。
なぜバーバリーとの蜜月が失われたか
については、本国のラグジュアリー
路線と合わなくなったという分析が
ありましたが、真相は分かりません。
いずれにせよ、
バーバリーの穴を埋め、業績を回復
させる歩みは、壮絶を極めたに違い
ないでしょう。
そんな三陽商会の大江伸治社長が、
日経MJの紙面でインタビューされて
いました。
昨年度、2023年2月期の同社の連結
決算は、なんと7期ぶりの営業黒字
だったそうです。
やはり、バーバリーを失った直後
から、営業赤字が続いていたという
ことですね。
昨年の11月にも、日経本誌の方で
インタビューに応えていらした
ようです。
大江社長曰く、
ハイエンドな商品の開発を通して
アッパーミドル(裕福な中間層)の
需要を取り込む考えとのこと。
それよりさらに上のラグジュアリー
市場を含め、まだまだ拡大の余地が
あるとの認識を示されていました。
そして、この商品開発強化に加えて、
販売力の強化を進めていくことが
大切だと述べていらっしゃいます。
具体的には、リピーター比率を
高めることに注力するべく、
「顧客をターゲットにした
マーケティングを仕掛けていく」
との言葉も出ていました。
インタビューなので、どうしても
発言内容がざっくりと粗いままで
紙面に引用されていたようにも
見受けられますが、前後の文脈から
推測するところ、デジタルを活用して
ピンポイントに顧客別のアプローチを
かけていくよ、そんな意味合いだと
捉えることができそうです。
30年もの間続いたデフレから、
日本がついに脱却しつつある。
そんな萌芽が至るところに見られる
今日この頃。
三陽商会のような比較的高級な
ブランドが好調に推移していると
いうのは我々日本人に勇気を与えて
くれますよね。
「100年コート」にはまだ食指が
動きませんが、改めてサイトを
見て、学びたいと思っています。