「PORT STORE」の謎
港区海岸という住所がある。
レインボーブリッジのたもとの辺りだ。
JRでいうと田町駅、モノレールやゆりかもめが
走っており、海の近くということもあって
運河がいくつも流れている。
その地域に、「PORT STORE」という名前の
コンビニエンスストアがある。
冒頭の写真と、下の写真をみてもらえれば
分かる通り、どう見ても「ローソン」だ。
ここまで勝手にローソンの真似をしたら、
さすがに訴えられるだろう。
きちんと営業しているということは、
ローソンのお墨付きがあるとしか
考えられない。
実際、店舗に入って買い物をすると、
品揃えも通常のローソンと比較して
何ら変わらないように見える。
レシートを確認したら、しっかり
ローソンのロゴも印字されている。
それにしても不思議だったので、
この「PORT STORE」とは何者か、
Google先生に訊いてみた。
予想通りというべきか、ちゃんと
調べている方がいらっしゃる。
この記事から、ポートストアが何者かを
箇条書きで説明すると、
・東京湾岸の港湾地区にあるお店
・一般財団法人 東京港湾福利厚生協会が所有
・港湾労働者の福利厚生目的で存在する売店
・同協会が大手コンビニと提携して運営
・ローソンに加えファミマの店舗も存在
といったところである。
港湾労働者と聞くと、
かなり危険が多く、重労働である、
いわゆる「3K」のイメージがつきまとう。
人手不足が深刻化しているとの指摘が
後を絶たないようで、国土交通省が
一昨年末から昨年頭にかけて実態調査を
行い、色々対策を打っているようだ。
物流というのは、経済の動脈である。
その動脈の流れにおいて、「港」は
大変に重要な場所だ。
国内外から大量に荷物が運ばれてくる。
それらを荷揚げし、行き先ごとに仕分け
して、送り出すのである。
さながら、全身の血管へと血を送り出す
心臓のポンプ機能を彷彿とさせる。
アメリカでは、頻繁に港湾ストライキが
起きているイメージがあるが、
その経済に与えるダメージはかなり
深刻だと聞く。
ストライキでなくとも、先般のCOVID-19
対策に伴う上海のロックダウンのような
ケースも脅威だ。
商品が当たり前のように店頭に並んで
いる状態が、決して当たり前ではない
ことを、我々は東日本大震災で学び、
このコロナ禍でも学んだ。
港湾労働者不足というニュースは、
あまり頻繁に耳にすることではないが、
深刻化した際に経済が被るダメージが
いかに大きいか、しっかりと頭の中で
理解しておくべきだろう。
経済が止まってからでは遅すぎる。
「備えよ、常に」を励行すべし。
「PORT STORE」を見かけたら、
アンカリングよろしく、
そんなことを思い出すように
しておくこととしよう。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。