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『偶発購買デザイン』と、I-neの「IPTOS」モデル
先日ご紹介した、
『偶発購買デザイン』という本が
あります。
電通で活躍中の方々が共著で
世に問うた意欲作ですが、
その著者たちと、「BOTANIST」や
「YOLU」のヒットで今をときめく
ヘアケアメーカーの I-ne で
ビューティケア事業本部長を務める
大菅研登氏との対談記事が
Advertimesに載っていました。
『偶発購買デザイン』の中で、
「CRISPモデル」というものが
提唱されています。
要は、偶発的に購買をしてもらう
確率を上げるために、
ただ運に任せるのでなく、
以下のようなことを設計時点で
組み込んでいくべきだという
考え方ですね。
偶発購買設計フレーム「CRISP」
[汎用性 Coordinability] 発信センスが発揮できる余白の設計
[実感力 Realizability] 体験が人から人へ伝播する実感の設計
[明快性 Intelligibility] 簡単でわかりやすい価値の規定
[予兆感 Signality] 半歩先の時代を感じる印象の設計
[価値観 Philosophy] 社会的に共感できる思想の設定
この「CRISP」が、I-ne 社が使っている
「IPTOS」というモデルと似ている、
ということが、記事の中で触れられて
いました。
この「IPTOS」、実はこちらで紹介した
ことのあるモデルです。
どんなものかというと、
以下のようなフェーズに沿って
商品開発を進めていこうという
考え方なのですね。
Idea:アイデア発掘(新規性、拡張性、市場規模、開発実現性、ブランドパーパスに昇華できるかなどを評価軸にする)
Plan:プランニング(具体的に企画を開発、精緻な需要予測を展開)
Test:テスト販売(「MVP」=実用最小限の商品を作って、まずは小さくテストを行う)
Online/Offline:販売並びにコミュニケーションチャネルの設計(テストで良かったコミュニケーションをECで横展開、徐々にリアル小売にも広げる)
Scale:本格導入(これまでのPDCAで得られた知見を基に積極展開する)
I-ne の大菅氏のコメントを
引用させてください。
大菅:確かにCRISPモデルとは類似点が多くありますね。例えば[Coordinnability(汎用性)]は、他のカテゴリーにも広がるかという点で拡張性に似た考え方です。[Philosophy(価値観)]は、ブランドのパーパスへ昇華できるかという私たちが大切にしている視点に通じると思います。[Realizability(実感力)]については、当社では連携している約200のOEMネットワークと協力して、商品開発に伴う開発実現性の高さを調査しています。[Signality(予兆性)]は当社では「半歩先のコンセプト」と表現していて、商品が約1年後にトレンド層から美容フォロワー層まで受容されるかを考慮します。
昨日、「PdCa」という言葉を引きながら、
兎にも角にも「Do」「実行」が大切に
なるという趣旨でnoteを書きました。
上記の「CRISP」にせよ「IPTOS」にせよ、
語呂合わせで満足している場合ではなく、
まずはやってみることが大事です。
ただ、そこで闇雲にやり散らかすのでは
なく、モデルが示唆する内容に耳を傾け、
やっては考え、考えては実行する、
そのバランスが大切なのでしょう。
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