経営者に必要な四つの力
ユニクロやGUを展開する、日本屈指の
アパレル企業、ファーストリテイリング。
その代表取締役会長兼社長である
柳井正さんの著書
『経営者になるためのノート』
がひと頃話題になった。
この本(ノート)が面白いのは、
本当に「ノート」になっている点。
本文の回りに大きくスペースが取って
あり、たっぷり書き込みできるような
レイアウトになっている。
このノートに沢山書き込みを行い、
「自分で完成させていく」
というのがコンセプト。
なるほど、今まであるようでなかった
斬新さを感じる。
奥付には2015年出版とあるので、
そこそこ古い本である。
元々が、ファーストリテイリング社内で
「社外秘」扱いで使われていた、
社員教育用のテキストである。
最近再注目を浴びていた際に、
たまたま私の目にも止まり、
折角なので買ってみようと思い立った。
とはいえ、積読書籍も多く、この本に
たどり着くまでに半年を要したという
お恥ずかしい状況。
ようやく、そろそろ手を付けねば、
というところである。
序章に、「経営者に必要な4つの力」が
まとめられており、
本編は、それら「4つの力」を一つひとつ
深く読み解いていく、
そのような構成になっている。
その「4つの力」というのは、
である。
「VUCAの時代」などと言うまでもなく、
市場というのは激しく変化する。
自分たちが変わらなければ、
市場やお客様の変化によって
置いてけぼりにされる。
だからこそ、常に変革を続けなければ
ならない。
何らかの目的を果たすべく、会社を経営
していくわけだが、そのためには企業を
存続させていかねばならない。
その存続の条件として、利益を出す、
出し続けるということが求められる。
利益、即ち儲けが出ないということは、
存続する意義を社会から認められていない
ということになるわけだ。
経営は、一人でやれないことはない。
とはいえ、一人でやれることは限られて
いるのもまた事実。
チーム、組織を作り、役割分担を決めて
運営していくことで、一人では成し得ない
大きな仕事も可能になっていく。
これら3つの力を使い、最終的に「理想」
として掲げることを達成するべく、
結果を追求していく。
企業の最終目的=「使命」を実現し、
社会に貢献すること。
それこそが、社会における企業の存在意義
なのである。
4つの説明を一旦読んだ後に、
自分なりに短く縮めて書いてみた。
特に最後のところ、企業の使命というのは
社会に貢献することであり、そうして
ようやく存在意義を認められるものなのだ、
というくだりは大いに共感するところ。
柳井さんの経営力が突出しているのは
ユニクロの実績が物語っているので、
私などがコメントする立場にはないが、
この本にあるような「哲学」「背骨」が
しっかりとあるからこその成功なのだと
納得できる。
想定されているように、ノートに沢山
書き込みをして、有効活用していきたい
と思う。