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「ビゴの店」ビゴさんの一番弟子

「ビゴの店」と聞いて、パッと
フランスパン(バゲット)を思い
浮かべる人も少なくないだろう。

元々は芦屋で始まった「ビゴの店」
創業者はもちろんビゴさんだ。
本名は、フィリップ・カミーユ・
アルフォンス・ビゴ

「現代の名工」にも選ばれた
「フランスパンの神様」である。

15歳で職人としての歩みを始め、
22歳で技術指導のために来日。
そのまま日本で開業して、保存料や
添加物を使わないこだわりを徹底
した「ビゴの店」の経営を通じて
日本におけるフランスパンの普及に
多大なる貢献をなした方
である。

残念ながら既に鬼籍に入られて
いらっしゃるが、お店は今も人気を
博しており、昨年の2月22日には
創業50周年を迎えている。

割と奔放な性格で、性格が合わない
人も多いと言われる中、40年以上も
弟子としてビゴさんと二人三脚で
やってきたのが藤森二郎さん

自他ともに認める「一番弟子」として
ご活躍され、ビゴさんに続いて
「現代の名工」の表彰も受けている、
名職人でいらっしゃる。

パンのレシピ本も複数出されており、
表紙を見ているだけでバゲットが
食べたくなってくる。

そんな藤森さんの言葉を、
『致知』掲載の記事から紹介したい。

彼は、師と弟子の関係で一番大切なことを、
いついかなる時も「ウィ、ムッシュ*」と
言えるかどうか
だと思っているそうだ。

*フランス語版の「Yes, Sir」という感じ。
 日本語だと「はい、師匠」だろうか。

師匠と決めたからには、何を言われても
歯向かうことなく受け止める

それだけ、ビゴさんに惚れ込んで、
師として常に真摯に仕えていらした

だろう。

ビゴさんが亡くなる直前のエピソードが
泣ける。
藤森さんに、こんな言葉を掛けてくれた
そうなのだ。

僕には生涯藤森くんがいてくれたけど、
藤森くんには藤森くんがいないんだね

藤森さんは、この言葉がビゴさんなりの
最大の褒め言葉
だったのだと、感じて
いらっしゃるそうだ。
40年間、師匠として追いかけ続け、
常にビゴさんの手となり足となって
働いたからこその、究極の信頼関係
生んだ言葉なのだろう。

40年も一緒にやれば、
いつか追い抜こうとか、独立しようとか、
そんな転機がありそうな気もするが、
常に学びの連続だったという藤森さんの
謙虚な姿勢には驚かされる。

ビゴさん亡き今、藤森さんがビゴさんを
師として始終ご奉公したように、
彼にご奉公されているお弟子さんが
いらっしゃるのだろうか。

藤森さんのように、いつまでも
師匠の後を追いかけて修行の旅を
続けるタイプ
もあれば、
「不肖の弟子」タイプの職人だって
いるだろう。

いずれにしても、自分自身が最も
活きる「型」を見つけ出して、

愚直に邁進することが大切なのでは
なかろうか。

こうして書いていたら、
何だかバゲットが恋しくなって来た。


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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。