役割が人を作る
ある有名企業の社長さんは、まだ50手前。
カリスマの先代から直接後を継がずに、
一旦別のベテランの方を挟み、
40半ばで社長に就任。
当初はやや頼りなさげなところも
見え隠れしていたそうだが、
数年が経って、非常に堂々とした
態度に変わってきたそうだ。
変わったのが分かるのは、目付き。
そして、恐らくは精神的な余裕から
生まれる態度。
経験が自信を生み、それが態度にも
表れるようになったのだろう。
まだ頼りないから、社長を任せるのは
もっと先にしよう。
などと言ってどんどん先送りされて
いたら、いつまで経ってもその方は
必要な成長を得られないままだった
かもしれない。
役割を思い切って任せることで、
必要な経験が得られ、成長を促す
ことができる。
正に、「役割が人をつくる」のだ。
自分自身、キャリアを築く上では、
常に自分の実力に少し上乗せの力が
必要な役割を求めて来た。
現状に甘んじていては、成長がない。
より成長を遂げるには、自分にあと
何を足していけばよいのか?
そう考えて、次はどこへ行けばよいか、
何をすればよいか、検討してきたので
ある。
もちろん、常にこのような前向きな
転職・転社だったわけでもなく、
ときに社内でうまく行かなくなって
やむなく次の道を探さざるを得ない、
そんな経験もしてきた。
ただ、そういったあゆみも含め、
経験してきた役割は、どれもこれも
自分自身の血となり肉となっている
ことは疑いない。
自分が様々な境遇やご縁の中で、
果たすことになった役割。
これを全うし、何らかの価値を生み
出して、その時々のお客様であったり
利害関係者の方々に貢献する。
それまでにやったことがなくとも、
何とか背伸びしてやってみることで、
一つひとつやれることが増える。
どんな小さなことであっても、
最初に挑戦してみたときは、
私も恐らくはおどおどしながら、
目にも自信なさそうな光を宿しつつ、
仕事をしていたに違いない。
経験を踏み、勝手が分かるようになって、
徐々に自信が培われる。
小さな自信が積み重なっていき、
いつの間にか目に宿す光も自信を
帯びた、堂々としたものになる。
成長を志すのであれば、
自分自身に役割を与えるのが
良いだろう。
人から役割をもらえたならば、
それはもちろん有り難いことだが、
もしもらえなかったとしても、
自分で作ってしまえば良い。
役割を全うし、価値を周囲に届け続けて
いけば、理解者や協力者もどんどん
現れるだろう。
そして、気が付かない間に、自分の
実力がグンと伸びているはずだ。