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「すでに起こった未来」を利用する

ドラッカーが遺した名言は数多い。
「すでに起こった未来」というのも、
その中の一つとして数えられる。

未来に何が起こるか、神ではない人間に
とっては分からない
、というのが正直な
ところ。
しかしながら、既に現実に起こったことを
観察し、そこから論理必然的に起こることを
捉えたならば、未来であってもほぼ確定した
ものとなる。
それを「すでに起こった未来」と呼ぶわけだ。

昨日、バックキャスティングという考え方に
ついて記事を書いた。

現在の延長上に未来がある、という
ニュアンスが濃いフォーキャスティングに
対して、望むべき未来を先に思い描き、
そこから逆算していく
予測の方法を
バックキャスティングと呼ぶ。

この、「望むべき未来」を描くにあたり、
「すでに起こった未来」の考え方を活用
できるならば、目標達成の現実味が増し、
仕事に取り組む上でモチベーションを
高めることにつながる。

昨日伺った事例に、トヨタが推進している
スマートシティの構想「ウーブン・シティ」
というものがある。

これなどは、既に確立しているロボット
技術やAI技術を「すでに起こった未来」と
捉え、それを都市計画にあてはめていけば
色々なことができるようになる!
という
「望むべき未来」を描いているという
意味で、見事なバックキャスティングの
事例と言えるのだろう。

急に卑近な事例になるが、最近では
冷凍食品の技術の進歩が著しく、
解凍した後でも美味しさが保たれる
度合いが格段に上がっている
と聞く。
コンビニで売られている冷凍食品に
大いにその技術が使われているほか、
自動販売機での食品販売にも応用されて
いる様子。

冒頭の写真は、近所でたまたま見かけた
二郎系ラーメンの自動販売機。
「えっ、こんなマニアックな自販機が
あるなんて!?」
と正直驚いた。

ちょっと調べてみると、二郎系のみならず、
様々な名店のラーメンを冷凍して自販機で
展開する会社が存在していた。

私も好きな「AFURI」や「つじ田」も
名を連ねている。
世間的にも評価の高い、これらの名店が
参画しているところからも、昨今の
冷凍食品のレベルの高さが伺えると
いうもの。

これらは、「おいしいラーメン屋の味を
誰でも自宅で再現できる」
という
「望むべき未来」を描き、それを実現する
べく「バックキャスティング」していく中で
冷凍技術に出会い、このようなビジネスへと
結実したのではないか。
そんなことを勝手に推測したところだ。

「ウーブン・シティ」のように壮大な未来
構想と、ラーメン屋の味を再現する話は、
あまり同列に語るべきでないかもしれない。
しかし、規模の大小や時間軸の長短はあれど、
いずれも「望むべき未来」を描き、そこから
逆算して革新的なアイデアを実現しているのが
共通点
と言えるだろう。


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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。