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「駆除」から「予防」へ戦略転換
人気のなくなった時間帯。
繁華街を歩いていると、
時折あの「カササササッッッ」
という動きに出くわすことがある。
我が家では、一度か二度ほど、
20年前に見た記憶がある位。
マンションの3階に住んでいて、
比較的上層階には来ないのと、
最近の住宅は気密性が高いお陰で
なかなか入ってきづらいようだ。
何の話かといえば、もちろん
ゴキブリの話。
昔に比べて、見かける機会、
接する機会がすっかり減った
ような気がする。
そして、それは私だけでなく、
一般的にそういう傾向にある
ようだ。
見ないからといって、
いないとは限らない。
飽食の時代、食品廃棄ロスが
社会問題になる時代。
彼らのエサとなる食糧は、
相当豊富にあるはずだ。
普段見ない、見かけないからこそ、
たまたま遭遇してしまった際の
スリル感、恐怖感たるや、
なかなかのものだ。
噛まれる心配はないし、
毒をまき散らすわけでもない。
叩いて仕留めればいいだけなの
だが、どうにもあの動きや、
ぬらぬらと黒光る色が、人を
恐れさせる何かを持っている。
そんなゴキブリに代表される
「害虫」を商売のタネにしている
のが、「ごきぶりホイホイ」で
有名なアース製薬。
その「ごきぶりホイホイ」が、
誕生から50年経つそうだ。
私があまりゴキブリを見なくなった
要因である「住環境の変化」に伴い、
戦略を転換しているという話が
記事となっていた。
従来は、ゴキブリという「脅威」が
目に見える形で頻繁に顕在化して
いたところ、住環境の向上によって
潜在化してきたという環境の変化が
起こった。
これに伴い、従来の「駆除」という
アプローチから、「予防」を提案する
方向へと舵を切ったのである。
「ゴキジェット」や「アースジェット」
のような、直接「虫を殺す剤」から、
虫との遭遇を予防する「虫ケア」という
コンセプトへの進化を提唱し始めたのが
2017年だった。
環境変化に真摯に向き合い、
自社の商品をどのように位置付ければ
消費者の嬉しさにつながるか、
そこを徹底的に議論したのだろう。
虫を見なければ、脅威は減る。
勢い、虫を駆除するタイプの需要も
減るというのが単純な図式。
そんな環境の変化を、何も考えずに
受け入れてしまえば、自社の存在
意義が薄れるだけだ。
しかし、虫が減ったわけではない。
普段見ない分、出会ったときの
ショックが大きいことを踏まえれば、
「予防」というニーズが高まると
いうことは想定可能。
消費者の潜在的な虫予防ニーズに
的確に応えるラインナップを提供し、
自ら創造した「虫ケア」カテゴリー
で圧倒的な強さを見せるアース。
地味なカテゴリゆえ、普段そこまで
注目されることも少ない印象だが、
実はバスクリンや白元なども傘下に
収め、大塚製薬とも資本関係を持つ
優良企業。
何かと要注目かもしれない。
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