五感すべてで感じてもらえるようにプレゼンする
昨日、都内某所でプレゼンテーションを
3本お聴きする機会に恵まれた。
自分もプレゼンしたので、審査される
方々は合計4本聴いてくださった格好だ。
おひとりのプレゼンターが、
非常に見事なプレゼンを披露したことを
受けて、審査員のお一方がそれを褒め
ちぎった際に、とても示唆的なコメントを
されていたのが印象に残った。
NLP(神経言語プログラミング)という
コミュニケーション技法がある。
そこでは、「代表システム」と言われる、
人はそれぞれ五感の中で優位にある感覚が
異なるという考え方がある。
すなわち、
Visual:視覚優位
Auditory:聴覚優位
Kinetic:体感覚(触覚、味覚、嗅覚)優位
の頭文字を取って「VAK」と呼ばれる。
もう2年近く前だが、こちらのnoteでも
書かせてもらったことがある。
話を元に戻すと、その講評というのが、
「VAK」の話を念頭に置きながら、
プレゼンの中に
・情景が目に浮かぶ(V)
・登場人物の声が聞こえてくる(A)
・リアルな匂いまで想起させる(K)
そういう形で、VAKすべての要素で
訴えかけてくるようなプレゼンだったと
いう趣旨を述べられたのだ。
プレゼンターの方が、NLPをご存知で
あえてそうしたのかどうかまでは
伺うことをしなかったが、
少なくとも臨場感を最大化するために
あれこれ工夫を凝らしたことは、
一目瞭然であった。
別のプレゼンターの方も、
手を中心にした体の動き、使い方を
通じてビジュアルでのイメージが
しやすいように誘導したり、
聴衆に対して問いかけをうまく活用
しながらビジュアルと共にどんな音が
するかのイメージを掻き立てるような
話をしたり、思わず引き込まれる
演出を駆使していた。
誰しも、VかAかKが、他に比べて
優位にあるのが通常である。
ということは、VとAとK、すべての
要素を網羅することで、より多くの
聴衆に話が伝わりやすくなる、
ということになる。
例えば、自身が「V優位」の場合、
V=視覚の要素ばかりがつい気になる、
そんな傾向が十分あり得る。
そして、AやKの要素をなおざりにして
しまい、結果として自分に似たような
人たちにしか、伝えたいことが伝わら
ない、という顛末になるわけだ。
世の中には、「VAK」のいずれか一つを
優位としており、自分とは異なっている
可能性が十分にあること、
そして、どれを優位とする人が聞いても
伝わりやすいようにするために、
表現を工夫することが大切であることは、
覚えておいて決して損はないだろう。