事業環境を分析するフレームワーク
ビジネス、あるいはマーケティングの
プランを考えるにあたっては、
事業を取り巻く環境がどうなっているかを
ひとまず把握、分析することから始める
ことが多い。
もちろん、環境がどうであろうと、
自分は自分のやりたいことをやるんだ!
という猛者もいるかもしれないが、
独り善がりでは成功確率が低くなる
ことは誰でも容易に推測できるだろう。
事業環境を分析する際に、
フレームワークとしてよく使われる
のが、「3C分析」や「PEST分析」と
言われるものである。
「3C分析」は、元マッキンゼーの日本代表
である大前研一さんが提唱したものとして
つとに有名だ。
3つのC、すなわち
・Customer:お客様
・Company:自社
・Competitor:競合他社
それぞれの視点から事業環境を分析し、
その市場での勝ち筋を見つけようとする
考え方である。
ここで、CustomerとCompetitorは
「外部環境」であり、
Companyは「内部環境」である。
前者を、異なる視点から分析しようと
するフレームワークが「PEST分析」だ。
・Political:政治的要因
・Economic:経済的要因
・Sociological:社会的要因
・Technological:技術的要因
こういった要素ごとに、3Cよりも
分析対象を分かりやすく区切ってやる
ことで、より精緻な分析を可能にする。
この「PEST分析」のフレームワークは、
「マーケティングの神様」と呼ばれる
コトラー教授の提唱だが、最近では
・Legal:法的要因
・Envirionmental:環境的要因
という二つを加えて「PESTLE分析」と
呼ぶことが増えているようだ。
もし、事業環境を分析せよ!という
お題を出されたとすると、皆さんは
どんなアプローチを取るだろうか?
オリジナルな分析手法を即座に考えて、
創り上げられる人など、まずいないと
思われる。
普通であれば、やはり何らかの基準、
フレームワークに頼らざるを得ない
だろう。
今も多くの人に使われているならば、
そのフレームワークは、それなりに
有効に機能している証拠。
分析手法を一から考え出すよりも、
先達の知恵を有効利用するのが
賢いやり方である。
そうすることで、抜け漏れを防ぐことに
つながる。
すなわち、後から
「あっ、その視点見落としてた!」
というガッカリな状況に陥ることを
防ぐことができる。
ここ数年、パンデミックにしても
ウクライナにしても、世界中で
激動が続いている感がある。
VUCAの時代と言われるように、
実際のところ環境の変化が激しく、
次々と新しい変化の波が押し寄せ、
とどまるところを知らない。
どうせすぐに変わるのだから、
環境を分析するなんて時間のムダ!
などということにはならない。
むしろ、こんな時だからこそ、
フレームワークを上手に利用して、
手早く、抜け漏れなく、定期的に
環境分析を行うことが望ましい。
フレームワークに含まれる要素を
予めインプットしておくことで、
頭の中に「アンテナ」が立ち、
雑多なニュースの中から関連する
情報が頭に入ってきやすくなる、
そのような効果も期待できそうだ。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。