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見えないものを可視化する

Panasonic「音がすごいビエラ」の
CMをご覧になった方はいるだろうか?
綾瀬はるかがナビゲートする、
こちらのCMである。

Panasonicの従来品との比較で、
新しい「音がすごいビエラ」の
方が圧倒的に音に包まれるその
感覚を、言葉で表現するだけで
なく、視覚的に表現。

パッと見て感覚的にその凄さが
分かるように仕上げている。

音は目に見えないだけに、
実際に聞いてみない限り
違いが分からない。

しかも、TVCMやYouTubeなどの
メディアで、仮にその音を出して
聞かせてみたところで、聞いている
TVやパソコン、スマホでは、再現
したい臨場感を届けることは間違い
なく不可能。

ではどうするか?
見えないものを、見て分かるように
すればよい
、とPanasonicは考えた。

温度も、通常は見ただけでは
分からないものの一つ。
これを分かるようにする技術と
してサーモグラフィーがある。
最近は、空港をはじめ、様々な
施設の入口で体温を測るために
機械が設置されていることも
多い。
低い温度は青系、上がると段々と
オレンジや赤になっていく。

恐らく、このサーモグラフィーに
ヒントを得たのではないか?

音量の広がりを、緑から赤で段階
的に表現し、旧商品は部屋の中で
緑の箇所が多いのに、新商品は
部屋全体が真っ赤になるという
クリエイティブ。
伝えたいことが非常に明確に、
ストレートに伝わってくる。

オリンピックを控え、自宅のテレビ
でも各種の競技を臨場感あふれる
形で視聴したい、そういうニーズが
高まるタイミング。

臨場感は、映像だけでなく「音」が
カギを握る。
そこに着目して、部屋中に「音」が
響き渡る商品を開発し、それだけで
なくその商品の良さがしっかりと
伝わるようなクリエイティブ表現を
開発
したわけだ。

見えないものを可視化するというと、
既に挙げたサーモグラフィーの他にも
いくつか例が挙げられそうだ。

例えば、映画、テレビやYouTubeの
動画に見られる字幕(キャプション)。
画像や映像は見られるが音は聞けない、
そういう状況にある人にとっては、
目に見えないセリフを可視化してくれる
字幕は大変重宝する。

これは空想の世界だが、鳥山明さんの
『DRAGON BALL』では、登場人物たち
の強さを可視化する「スカウター」なる
機械が登場する。
孫悟空をはじめとするキャラクターたち
の戦闘能力は、通常は見ても分からない
はずだが、その機械があればスコア化
されて見ることが出来るのだ。

現状では、目に見えない「におい」を
視覚化することはかなりハードルが
高いと思われるが、これも研究が進んで
いるようである。
日本発のベンチャー、アロマビットという
会社が、においを可視化するセンサーの
開発に成功しているという。

味覚の可視化は、嗅覚に比べたら
むしろ進んでいる。
ワインや日本酒など、2軸で味わいの
マッピングをしている図を見たこと
がある人も多いだろう。

五感をデジタルに置き換えて、
見える化、可視化していく。

それをマーケティングの様々な
施策に応用していく。
そういったことが、今後益々
増えていくことだろう。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。