
「特徴的なブランド資産」の強さ
4枚の額装された「You」の文字たちが
ありますが、どれを見ても、概ね
何をパクったのかがお分かりになる
のではないでしょうか?
一番左だけ、「The Power of You」の
文字になっていますが、このロゴは
「Walt Disney」そっくりですよね。
上は「Yahoo!」
右は「Google」
下は「IBM」
それぞれの特徴を見事に捉えていて
感心しました。
この写真の出元は、世界有数の規模を
誇るヨーロッパ系のリサーチ会社
Ipsosのレポートです。
このレポートは、
というタイトルの下、
「特徴的なブランド資産」について
分析、レポートしているのですね。
この「特徴的なブランド資産」とは、
元の単語が「Distinctive Assets」と
言いまして、「他から識別可能な資産」
というニュアンスの強い言葉です。
この概念は、昨今のマーケティング
界隈にて発言力を高めている
南オーストラリア大学の研究者、
バイロン・シャープ教授が提唱して
いらっしゃるのですが、ご存知でした
でしょうか。
こちらの訳書では、Ipsosのレポートとは
異なり、「独自のブランド資産」という
訳が使われています。
冒頭のロゴたちに話題を戻すと、
どれもこれも言葉は置き換わっている
にも関わらず、どの企業のロゴなのかが
雰囲気で分かってしまう感覚を覚えた
のではないでしょうか。
要は、ロゴに表れている名前に加え、
フォントの形状や色といったものが、
そのブランドを世に知らしめるだけの
パワフルさを持っているということ
なのです。
上記のIpsosのレポートが結論として
述べているのは、以下の3点でした。
1.ブランド資産の存在は、ブランドについて直接示したり話したりする以上に、ブランドのポジティブな注意喚起の効果と強く結びついている。
2.キャラクターや音のブランドキュー(手がかり)など、あなたの力を活用するブランド資産は、セレブや音楽などより幅広く文化を活用する資産よりも効果的だ。
3.あまり多く使われてはいないが、音声素材は視覚的な素材よりも平均的に効果的。これは、ブランドが音を利用して、ビデオ作品でブランドのアテンションを向上させられることを示唆している。
今ひとつ訳がこなれていないことを
脇に置きつつ、
バッサリ結論をまとめ直すならば、
ブランドが市場で競争力を維持し、成長するためには、他のブランドとは異なる識別可能な要素を効果的に活用することで、ブランドが消費者の選択肢の中で際立つようにするべき。
ということになると思います。
こうした「ブランド資産」を持っている、
あるいは持てる可能性があるのは、
ごく一部の大企業に過ぎない!
そのような批判もあるようですが、
会社の規模にかかわらず、
識別可能な資産を持つことが大切なのは
常日頃から変わりません。
どんなブランドだって、
最初から大きかったわけではないのです。
識別可能となるような強みの要素を
際立たせて、それを長期にわたり
一貫して訴え続けることで、
徐々にブランドを育てることができると
言えるでしょう。
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