逆境をバネにして、人生を好転させる
逆境が人を育てる。
これはきっと真理なのだろう。
あわよくば、
逆境に苦しむことなく、
苦労など味わうことなく、
スムーズな人生を送れる方が
良さそうにも思える。
しかし、それでは自分に力が付かない。
逆境に突き落とされても、そこから
這い上がる。
あるいは、あえて自ら逆境に身を置き、
それを乗り越える。
そうすることによって、様々な力を
身に付けることができ、
人生をより充実したものにできる。
多くの先達の話を見聞きして、
それこそが真理だと強く思うのだ。
逆境と言うと、色々なパターン、
ケースがあるが、ビジネス的には
不況、天変地異のような環境要因や、
夜逃げ、不渡り、倒産のようなもの、
パワハラ、セクハラなどもそうだろう。
数多くの逆境を乗り越えて、
今が一番幸せ!
と断言している人がいる。
過去にこちらの記事で紹介した、
地球探検隊の中村隊長である。
2年前に、長らく続けた自分の会社を
倒産させた後、アルバイトで
食いつないだりしながら、
復活を遂げた隊長。
その「エピソードゼロ」、
要は自叙伝的な内容を赤裸々に語る
本をこの度出版した。
特に興味深かったエピソードを
紹介したい。
まずは、おふくろさんの口ぐせ。
隊長が小学生の頃、毎日の夕食での
口ぐせが、
「今日は何か面白いことあった?
楽しいことあった?」
であったそうだ。
この質問により、何か面白いこと、
何か楽しいことを見つけるぞ!
というアンテナが立ったのだという。
コーチングの基本的な考え方と全く
同じだと気付く方も多いだろう。
問いが立つと、それを脳が考え始める。
問われると、答えを探すようにできて
いるのだ。
それが毎日積み重なって、考えることが
習慣化する。
その習慣が、ポジティブなものであれば
あるほど、逆境を生き抜く上で、極めて
力強い基盤となる。
もう一つは、現実逃避していた隊長が
我に返って、自己否定から自己肯定へと
大きく舵を切り復活したエピソード。
「いつも立ち返る原点の言葉」
として紹介されている。
それは、最初の結婚が破綻した後に
破れかぶれとなって放浪の旅の途上。
オーストリアのウィーンで、数か月前に
旅に送り出したお客さんと偶然にも
バッタリ出会った。
そのお客さんから、
あなたのおかげで少なくとも私は旅をする前より今の自分が好きになれたんです。20数年生きてきて、こんなにも泣いたり笑ったり感情が揺れ動いた経験はなかった。だから、私みたいに旅をきっかけに、一人ひとりの日本人を元気にして、日本を元気にして下さい!
こんな素敵な言葉をもらった隊長。
自らが経営していた旅行会社、
その創業の理念を、お客さんが強烈に
思い出させてくれたということだ。
そして、自分がちゃんと人様の役に
立っている、という自己効力感を
ヒシヒシと感じたのである。
あきらめない理由、ブレない軸。
それを持っていれば、どんな逆境にも
耐えられるし、それをバネにして
逆境を乗り越えられる。
逆境が目の前に現れたら、
「よしっ!チャーンス!」
と喜ぶような自分になろう。
そう、隊長から直接語り掛けられてる
ように感じた素敵な本であった。
Kindle Unlimitedに契約していれば、
無料で読むことができる。
是非、一読して、元気と勇気を
もらってほしい。