テレイグジスタンス(Telexistence)とは
昨日のニュースで、Oculus Goの
販売が終了となる、というものが
あった。
約2年前に、Virtual Reality (VR)の
ヘッドセットとして発売されるや
各方面から大注目を浴びていたもの
で、名前は知らずとも、ヘッドセット
を装着した人の様子をニュース等で
見かけた人はかなり多いはずだ。
このOculus VRという会社、早々に
Facebookに買収されて、その傘下で
ビジネスを続け、Goを2年前に発売
したという経緯である。
InstagramもFacebookに買われたし、
YouTubeはGoogleの傘下。
有望株の新規メディアは、GAFAが
熾烈な買収合戦を繰り広げており、
どこが抜け出すのか現時点では
よく分からない。
理系にめっぽう弱いド文系人間の
私としては、VR含めメディアの
技術的な側面に関する技術は
ほとんど分からない。
ただ、現在着々とその準備が進む
5Gと相まって、VRがどんどん
実用化に進んでいくのであろう
ことは想像がつく。
最近たまたま、
「テレイグジスタンス」
という言葉に出会った。
「テレ」は、昨今すっかり定着し
つつある「テレワーク」という
言葉から分かる通り、
「離れている」
「遠隔の」
「遠くの」
というニュアンス。
「イグジスタンス」は、Existence
つまり「存在」である。
そのまま直訳すると、
「遠隔存在」
とでもなるだろうか。
もっと分かりやすい言葉をズバリ
使ってしまうと、
「アバター」
である。
一世を風靡した映画、
『アバター』
懐かしい!と思う人も多いのでは?
Primeで見放題の中にあった記憶が
あるのだが、少なくとも今は対象
ではない模様。
それはさておき、テレイグジスタンス
という概念は、アバターを遠隔で操る
イメージそのものである。
そして、何に驚いたかというと、
そのテレイグジスタンスという概念は
もう30年も前に、しかも日本人が世界
で最初に提唱していたという事実。
東京大学名誉教授の舘暲さんという
方が、1980年に世界で初めて提唱した
ということである。
ネット上の拾い物で、こちらのリンク
にある提案書の形をとったPDFが、
2年前のもので少し古くなるものの、
テレイグジスタンスの世界をかなり
分かりやすく教えてくれる。
「身体を拡張するメディア」
としてのテレイグジスタンス。
今や、VR機器としてその存在が
世の中にどんどん立ち現れてきて
いる。
遠隔なのに、まるでその場にいる
かのように景色を見たり、人と
話をしたり、オーケストラの演奏
を聴いたり、、、
以前にテレビで見かけたのは、
遠隔で手術をこなす技術。
物理的空間を超えて、これまでの
不可能を可能にする技術革新に、
何だか心が躍る。
技術基盤を整えるのは理系の方々
にお任せし、これが人々の役に
どのように立つのか、どんな問題、
課題を解決し、「不」をなくし、
社会を豊かにすることが可能と
なるのか。
そんなことを夢想し、実際にトライ
してみるところから、新しい未来が
少しずつ現実として姿を現す。
自分には関係ない、関係するのは
難しい、何となくそう思っていた
けれど、最初から諦めるのでは
なく、何かしら面白いことへと
展開したい、そんなことを今は
思うのである。