「ポイ活」で振り向いてもらいたかったらシンプルさは不可欠
「ポイ活」なる言葉がある。
数多存在する「ポイントプログラム」で
せっせとポイントを貯めることに興じ、
メリットを存分に享受しようとする
活動のことだ。
最近インターフェイスが変わった
ChatGPT先生に、ポイントプログラムの
元祖は何なのかと訊いてみたら、
裏で「Bing」がWebを巡回して調べ、
以下のような回答を返して来た。
TSUTAYAのTポイントあたりが元祖に
あたるのかなぁ、などと思っていたので、
自分の浅はかさを思わず笑ってしまった。
確かに、スタンプを貯めるカードや、
ポイントに相当するチケットのような
仕組みが、今のポイントの源流にあると
言えそうだ。
Tポイント、dポイント、Pontaなど、
出自は様々ながら、かなり汎用的に
使われているプログラムや、
楽天、AmazonなどのEC系、
コンビニやスーパー、ドラッグストア
等の小売店チェーン独自のもの、
カード会社主体で進めるプログラム、
JALやANAのマイレージポイント、
JR、地下鉄、私鉄などの電鉄系のもの
に至るまで、正に百花繚乱である。
おかげで、煩雑なことこの上ない。
一生懸命「ポイ活」に取り組む人がいる
一方で、面倒くさすぎると忌避する人も
一定割合いらっしゃるほど。
先日の日経MJで、放送作家でPRの
プロでもある野呂エイシロウさんが、
コンタクトレンズ大手のメニコンが
導入している「ココカブ」という名の
ポイント株主プログラムを紹介していた。
このプログラム、私は今回のMJの記事で
初めて知ったのだが、丁度一年程前に、
世界初となるサービスを開始するという
ことで、プレスリリースを出している。
サービス内容の説明部分を、
リリースから一部引用してみよう。
この説明にある通り、メニコインという名の
ポイント制度の新しい交換対象として、
メニコンの株価に連動したポイントを獲得
することができ、それが一定以上貯まれば、
実際の株式と交換ができるらしい。
さて、この「ココカブ」のリリースでは、
新しいサービスの母体となっている
「StockPoint」というサービスの利用者数は、
「ポイ活」の盛り上がりもあって順調に
増えているとある。
しかし、1年経った「ココカブ」の方は、
メニコン以外の利用例が未だないように
見受けられるところから、サービスの
複雑さ、工程の多さが間口を狭くして
いるのではないかと推測するところ。
他のサービス名称を付けたプログラムを、
MUFGや三越伊勢丹といった優良企業と
パートナーを組んで実施している例も
あるので、今後化ける可能性はもちろん
あるだろう。
とはいえ、まずはもっとサービスを単純
かつ分かりやすくすること、工程の数を
グッと少なくすることなしには、
広がりが期待できないように思われる。
ポイ活がいくら盛り上がっているとはいえ、
所詮はポイントである。
メインの商品に付随した「残りかす」に
過ぎないのだから、複雑な仕組みは絶対
避けるべきだ。