「特徴的なブランド資産」の落とし穴
3ヶ月ほど前に、
「特徴的なブランド資産」
(英語で「Distinctive Asset」)
という概念について紹介をした
ことがあります。
2回に分けて説明をした「続」の
方のリンクを貼っておきますね。
この概念は、上記記事で説明した通り、
消費者がブランドとすぐに結び付けて
くれる、ブランド名以外の「何か」を
指す言葉で、繰り返しになりますが
具体的に以下のようなものが含まれます。
冒頭の写真は、NIKEのスニーカーですが、
NIKEといえば「スウォッシュ」と呼ばれる
あのロゴマークが特徴的ですよね。
あのマークを見た途端、多くの人が
「あっ、NIKEだ!」
と気付いてくれます。
正にこれが「特徴的なブランド資産」に
相違ありません。
ここで一つ、提唱者のバイロン・シャープが
指摘する「よく間違われやすいポイント」を
紹介させてください。
この「特徴的なブランド資産」自体が、
消費者に購入を促すメッセージ性を持って
いると捉える人が多いそうなのです。
NIKEの「スウォッシュ」で言えば、
この有名なロゴマークを見せることで、
消費者のNIKEに対する購入意欲を後押し
することができるだろう、そのように
考える人が多いというのですね。
しかし、このような捉え方は誤りだと
シャープ教授は指摘しています。
それはあくまでも、ブランドが広告や
購入の場面において認識されやすくなる
という役割(識別可能性強化)を果たす
のみなのです。
購入を促進させるためには、
別のクリエイティブ、別のメッセージを
仕立ててあげるべきなのですね。
確かに、NIKEの「スウッシュ」自体は、
スポーツウェアの機能や品質について
何かを語れるわけではありません。
あくまでも、広告という短い、ほんの
一瞬の消費者との接点において、
「これはNIKEだよ!」
という識別可能性を上げるという
機能を果たしているに過ぎないのです。
そこに、意味のあるメッセージ、
例えば「いつ」「どこで」「誰と」
ブランドを体験するとどんな気持ちに
なれるのか、というような説明を
追加的に乗せることで、ブランドに
対する消費者のポジティブな記憶が
強化され、購入促進へとつながるの
ですね。
シャープ教授の英語の寄稿文を目に
したので、そこに書かれていた内容を
元に、自分の備忘も兼ねてこちらで
記事にさせていただきました。
元ネタの本は、こちらです。
また、「特徴的なブランド資産」に
特化した本も出ているので、ご参考まで。