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新しい 映像制作はじめます

「仕事だからしょうがないよ」

当時勤めていた制作会社のプロデューサーが何気なくこぼした言葉。夜中の2時、クライアントもとっくに帰った編集室でのことだった。

家に帰れず、寝れず、ただひたすら謎の拘束を強いられるこの状態のことを、本当に「しょうがない」と言っていいのだろうか。やれやれ。

はじめに:憧れの映像業界から何もせずに去った 

初めまして。もぎりと申します。
年明けそうそう暗い思い出ですみません。
今は全然違う業界で元気に働いております。

自分も映画(映像)の世界で仕事をしたい

スター・ウォーズの絵コンテを見て、胸を躍らされていたのは中学生の頃。
それは「夢」というより、明確な「目標」であり、望めば叶うものと思っていた。
ただ、私にとっての映像業界は入ることはできたが、居続けることのできない世界であった。

あまり深く考えずに、とりあえず入ってしまえばなんとかなると思っていた安直な私は、気がつけばCMの制作会社にいて、身も心も削り取られ、文字通り死ぬ間際であった。長時間労働は常態化し、改善する意思も意欲も私を含む全ての当事者たちから欠落していた。

志を共にした多くの友人も同じような運命を辿っていった。

・体調不良で倒れたもの
・抗うつ薬を服用するようになったもの
・疲れ切って故郷に帰ったもの

業界に残った数人は今も辛そうに仕事をしている。

映画の現場で働いている友人の1人が言っていた。「結局俺らのやっている仕事って、上の人間のご機嫌とり。クリエイティブなものなんてないの。でも大事な仕事なのよ。」

知っている。けど、昔憧れていた場所で働いている彼から、そんな言葉を聞きたかったわけではなかった。

きっかけ:「YouTuberをプロデュースしたい」 

2017年、夢も希望も失った全くのノンフュチャーな私に、同じようにCMの制作会社を辞めた友人から唐突に連絡がきた。

「YouTuberをプロデュースしたい」

映画や映像を好きな人間において、YouTuberの扱う「動画」は少し距離のあるものだった。おかしなことを言う奴だなと思ったが、その言葉には妙に私の気分を高揚させるものがあった。

2020年、「個人の時代」と言われて久しい。

企業の安定は崩壊し、個人で稼ぐ能力が求められている。2018年には、副業が解禁になった。そして、SNSで個人がメディア化出来るようになったため、その活用は一層盛んに言われるようになった。しかし、そのツールをうまく活用できている人はまだまだ限られているように思える。

映像で表現をすることを考えてきた私たちなら、通常の発信にプラスαの価値やエネルギーを付与することができるのではないか。こうして私たちはYouTubeを始めることにした。

そして、これからの活動のために、私たちに名前をつけることにした。

それが、pines(パインズ)

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やりたいこと:個人の発信のサポート

今年は「個人の発信を映像でサポートすること」を軸に、活動を始めていきたいと思うやりたいことはいくつか具体的に出来てきた。

対象となる個人は、

・お笑い芸人として生きていきたい人
・ゲストハウスを運営している人
・料理屋を始めたい人
etc…

そして何より、私たち「映像を作っていたい人」を発信していけたらと思う。

おわりに:一度諦めたものを新しい形で始めることにした

「仕事だからしょうがないよね」
そうプロデューサーが言った翌日、私は会社を辞めることにした。

辞めた後、いろんな人にいろんなことを言われた。

「せっかく入ったのに」
「そんなすぐに辞めて」
「学校まで通ったのに」
「頭下げて、会社に戻った方がいい」
「やっぱり好きなものは仕事にしないほうがいいよね」

そんな言葉が間違いであることは、その場を離れてみればよくわかる。

「しょうがない」
「そういうものだ」 

もしそんなことを言う人が身近にいても、
そんなことを言う人を信用しなくていいと思う。

先日、YouTubeを誘ってきた彼に送った昔のメールを、たまたま見つけてしまった。
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なんか映像業界ほんとうんざりして、絶対仕事にしたくないし、中途半端に映画にしがみつくのも嫌だと思って、
きっぱりやめようと思たけど、無理。
最近の憂鬱っぷりがひどすぎる。

一人で文章書くのも好きだけど、そういうことじゃない。

なんかやろう。短くても。
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2014年のメールだった。
「なんかやろう」で何もやれなかった6年を経て、今ようやく、不格好で不細工ながらも「なんか」を始めた。
一度諦めた映像を新しい形で始めることにした。

暗い時代に生きているけれど、
圧倒的に変化が起きるこの新しい時代に、
私は少しワクワクすることにした。 

2020年1月1日 もぎり

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