2024年1月8日のお昼頃。 父から「詐欺にあった」と、リビングですれ違いざま、何てことないとでも言いたげな声で告げられた。 本当に緊張感のない、軽い言葉のように聞こえたので、驚きつつも、そこまで重大なことのように実感は湧かなかった。ただ、思い当たる節があったとことを思い出し、静かに胸の奥に詰まっていた物が動き出したような感覚で顔が強ばり、父の次の言葉を待っていた。 しかし父は「詐欺にあった」その重い言葉だけ言うと、自分の部屋に逃げるように、のそのそ入って行ってしまった。