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さんぱうろぐるめをっちゃー 「Nelita」&「De*Segunda」 宮本碧
#さんぱうろぐるめをっちゃー
#月刊ピンドラーマ 2022年1月号 HPはこちら
#宮本碧 文
新型コロナパンデミックのためレストランに行けない/開いていない期間が長く続き、デリバリーも何度か頼んだが、紙やプラスチックの味気ないお皿で着いた時には既に冷めていたり、味が変わっていたりして、同じ料理でもレストランで食べるのとはやはり異なる。やっと1年10か月ぶりにレストランに行けるようになり、美しく並んだカトラリーとグラスとともに再び料理を味わえるようになったことはうれしい限りである。
☆Nelita
ピニェイロスのレストランが多く立ち並ぶ通りの一画に今年、オープンしたモダンイタリアンのNelita。シェフをはじめレストランで働いているのは全員女性であるためか、とても繊細な料理が出てくる。ある批評家は鼻が高い(気取った)イタリアンと表現したのもうなずける。メニューにはIkuraやUniという言葉も見られる。
この日食べた揚げせんべいにエビとイクラを乗せたアペタイザーは東洋の香りをまとっている。
最近はどのレストランも必ずメインの一品にベジタリアンを加えているが、Nelitaも例外ではない。ヤギのチーズが包まれたラビオリのようなパスタには隠し味にはちみつが使われたなんとも美しいレモンソースがかかっており、添えられた黒ニンニクのソースが味に深みを加える。
タコのパッパルデッレはホウトウのような幅広のパスタにタコの足がドンドンと載っていてボリュームがある逸品。
デザートのパナコッタはビジュアルがあまりにも違いすぎていて、見た途端、絶対にえっという反応を引き起こすはず。
週末以外は夜間営業のみであるのでご注意を。
Nelita
R. Ferreira de Araújo, 330 - Pinheiros
Tel : (11) 3798-9827
☆De*Segunda
De* Segundaのコンセプトはルールもラベルもないブラジル料理。季節の食材を使っているため、いくつかのメニューは日によって異なる。どちらも料理のリアリティ番組で優勝した若いカップルが指揮するオープンなキッチンとフレンドリーなウェイター、ウェイトレスが軽やかな雰囲気を生み出している。
カシュ―アップルシャーベットが添えられた生ガキはカキのクリーミーさ、シャーベットの酸味、甘味、冷たさが口の中で溶け合い、至福の瞬間を味合わせてくれる。
トウモロコシ粉とエビで作ったクスクス・パウリスタには小イカとみじん切りのパルミットが添えられ、隠し味としてデンデ油が使われている。出汁もよく効いており、フェイラで食べるクスクス・パウリスタとは別物。
この日頼んだメイン、子豚の骨付き肉の煮込みは豚の角煮を思い出させる味で、フォークで肉がほろほろ崩れる。添えられたカボチャのピューレとコルダ豆のビナグレッチソースとともにに食べるとまた違う味わいが楽しめる。
この日のデザートはチョコレートテリーヌのパッションフルーツシャーベット添え。チョコレートの苦みと甘味、シャーベットの酸味のハーモニーが絶妙。
De*Segunda
R. Prof. Tamandaré Tolêdo, 160 - Itaim Bibi
Tel : (11) 3078-2900
宮本碧
最初は留学生としてブラジルに来たが、ブラジルにはまり、現在ブラジル在住約30年。食べることが大好きで、どんなに落ち込んでいてもおいしいものを食べると幸せな気分になれる。翻訳業。
月刊ピンドラーマ2022年1月号
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