見出し画像

「そうであっても」 ポルトガル語ワンポイントレッスン リリアン・トミヤマ 2022年6月号

#ポルトガル語  ワンポイントレッスン
#月刊ピンドラーマ  2022年6月号 HPはこちら
#リリアン・トミヤマ  文

調査研究機関ラティノバロメトロ(Latinobarómetro)が2021年下半期に以下の国々で調査を行いました。アルゼンチン、ブラジル、ボリビア、チリ、コロンビア、コスタリカ、グアテマラ、メキシコ、ウルグアイ、ベネズエラです。この調査の目的は、世界で最も発展している国々に関するラテンアメリカ諸国の認知度を測ることです。

ラテンアメリカの成人、中等教育以上、都市部および農村部の人々12,000人がインタビューを受けました。

ある調査の質問で、「あなたの意見では、発展のモデルとなる国はどの国ですか?」というものがありました。最も回答の多かった順に、アメリカ(44%)、ドイツ(41%)、日本(31%)となりました。

そうであっても、これらの国々も様々な問題を抱えています。

ところで、ポルトガル語で「そうであっても」をどのように言うでしょうか?

そうであっても=Mesmo assim

例文を見ていきましょう。

O remédio é muito amargo. Mesmo assim eu vou tomar.
(薬が苦いなあ。それでも飲むよ)

A tarefa é difícil. Mesmo assim eu não vou desistir.
(課題は難しい。そうであっても私は諦めはしない)

Esse candidato é mentiroso. Mesmo assim muitos brasileiros gostam dele.
(この候補者は嘘つきだ。とはいえ、彼を気に入っているブラジル人は多い)

A piscina está gelada. Mesmo assim eu vou nadar.
(プールは氷みたいに冷たいよ。でも泳ぐつもり)

今月もお読みいただきありがとうございました。冒頭で色々な国の話をしましたが、悲しい戦争に遭っているウクライナのことを考えないわけにはいきません。興味深いことですが、ブラジル文学の偉大な作家のひとりクラリセ・リスペクトル(Clarice Lispector)はウクライナの生まれです。彼女の作品は読んでみる価値があります。ポルトガル語ですらすら読めなくても、様々な作品の英語訳が出ています。身体的な特徴のひとつとして印象的なのは彼女の眼です。眼と言えば、彼女はこのように書いています。

「愛は赤。嫉妬は赤。私の目は緑。でも深い緑色なので写真では黒になる。私の秘密は、緑色の目を持っているのに誰も知らないこと」

この緑色の眼は作家マヌエル・バンデイラ(Manuel Bandeira)を虜にします。ふたりは一度も恋愛関係になりませんでしたが、別の作家ルーベン・ブラガ(Rubem Braga)がこれにインスピレーションを得て、「詩人と娘の眼」という短編を書きました。興味のある方は、YouTubeにナレーションが出ていますので、「“O poeta e os olhos da moça" CLARICE LISPECTOR e MANUEL BANDEIRA」で検索してみて下さい。


リリアン・トミヤマ(LILIAN TOMYAMA)
USP(サンパウロ大学)卒、ポルトガル語学・言語学専攻、ナンシー大学(仏)卒、フランス語学・文学の専門家でもある。
lilidomi@uol.com.br
www.pogotogo.blogspot.com
www.facebook.com/liliansensei


月刊ピンドラーマ2022年6月号
(写真をクリック)


いいなと思ったら応援しよう!