
「Um dia」 ポルトガル語ワンポイントレッスン リリアン・トミヤマ 月刊ピンドラーマ2023年1月号

ヴィニシウス・デ・モラエスと言って多く人が思い出すのは「イパネマの娘」の作詞家としてでしょう。でも興味深い事実があります。1970年代、彼はTVグローボのディレクターで、トキーニョとともにテレビドラマで流すメロディや歌を作ったのです。例えば、1974年のドラマ「Fogo sobre Terra」です。
1984年、イタリアのミュージシャン、マウリツィオ・ファブリツィオがブラジルを訪れトキーニョと友だちになりました。話し合い、情報を交換しているうちに、トキーニョが気付いたのは、10年前にグローボのドラマのために彼が作ったメロディとそっくりのメロディをマウリツィオが作っていたということでした。
ただ面白いのは、マウリツィオは一度もブラジルを訪れたことがなく、当時はインターネットもなかったということです。
みなさんはこうお考えではないでしょうか。「トキーニョは怒らなかったの?喧嘩にならなかったの?」と。ここで素晴らしかったのは、トキーニョはこの偶然に驚き感動し、二つの曲をひとつの曲に統合しようと提案したのです。そこで生まれたのが大ヒット曲、ブラジルでは「Aquarela(水彩画)」、イタリアでは「Acquarello」です。ちなみに、トキーニョはイタリアでゴールドディスク賞を獲得した最初のブラジル人で、レコードは10万枚売れました。
素晴らしい話ですね。2023年の私の望みは、多くの争いが彼らのような平和な方法で解決され、世界で今よりも価値のある良いものが作り上げられることです。
でも残念ながらそれは遠い不確実な将来になることでしょう。
ところで、「不確実な将来」と言いましたが、みなさんは「um dia」という表現を使ったことがありますか?
ハハハ…「um dia, dois dias…(1日、2日…)」と数を数えるということではありませんよ。
実際には、「um dia」は日時がはっきりしない不確実な将来を意味します。
例を見ていきましょう。
- Vamos almoçar um dia juntos!
(そのうち一緒に昼ごはん食べましょう)
※その人と昼食を食べたいが日時が決まっていない。
- Um dia, eu vou ficar fluente em português.
(いつかポルトガル語ペラペラになります)
※不確定の未来で、正確な時はわからない。
- Um dia ela vai fazer dieta.
(そのうち彼女はダイエットするでしょう)
※いつかわからない。
- Um dia ele vai se arrepender.
(アイツいつか後悔するぞ)
※後悔する日時はわからない。
今月もお読みいただきありがとうございました。
Desejo que – um dia – você fique fluente em português.
(いつかみなさんがポルトガル語ペラペラになることを願っています)
リリアン・トミヤマ(LILIAN TOMYAMA)
USP(サンパウロ大学)卒、ポルトガル語学・言語学専攻、ナンシー大学(仏)卒、フランス語学・文学の専門家でもある。
lilidomi@uol.com.br
www.pogotogo.blogspot.com
www.facebook.com/liliansensei
月刊ピンドラーマ2023年1月号
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