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坂本愛さん(宮城県出身) 21世紀の日系移民(第8回) 布施直佐 月刊ピンドラーマ2024年12月号
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今回はマッサージ業を営むかたわらブラジリアン柔術で活躍されている坂本愛(さかもとあい)さんにお話を伺いました。
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◎初めてのブラジル
日本に住んでいた頃は、「普通に結婚して普通に過ごすだろう」と思っていたが、日本の窮屈な社会の外に出たいとも思っていた。
あるきっかけで、 2006年6月にアメリカのサンディエゴに語学留学した際、クラスメートの一人にブラジル人の男性がいて交際するようになった(その男性が今の夫である)。彼が翌年ブラジルに帰国するのに合わせてブラジルを初めて訪れた。それまでブラジルといえば大自然・アマゾンのイメージしかなかったが、彼が住むサンパウロはコンクリートジャングルの大都会でそのギャップに驚かされた。滞在先のサウージには日系人が多く、日本食レストランや日本食材店が何軒もあり、食事に関しての不便はなく、「将来ここで暮らすこともありかも」と感じた。
◎ブラジリアン柔術と出会う
2008年、サンディエゴに戻った彼と結婚し一緒に暮らすようになった。2012年には長女を授かり、翌年ブラジル(前回と同じサウージ地区)に家族で移住した。子供の頃から格闘技を見ることには興味があり、サンディエゴで暮らしていた時にダイエットと運動目的でキックボクシングを習い始め、ブラジルに移った後も続けた。キックボクシング目的で入ったジムではブラジリアン柔術も教えており、ジムで知り合った友達に「楽しいからやってみたら」と誘われた。汗まみれになった体同士で接触するのに抵抗があり最初は断っていた。だが、試しに1回だけレッスンを体験してみたら「これも楽しい!」とキックボクシングと両立して習い始め、いつしかブラジリアン柔術に専念するようになった。そのジムは世界的に有名な名門「アリアンシ柔術」のサンパウロ本部で、世界チャンピオンを何人も輩出していた。
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◎世界大会で3位に
入門した年に初めて出場した大会ではガチガチに緊張し完敗。その時から自分の中で「強くなりたい」という意識が目覚め、月曜日から土曜日まで(現在は金曜まで)午前7時から11時半まで毎日ジムでトレーニングするようになった。以来、10年間、自分より強い相手に練習でしごかれ、研鑽を重ねた結果、自分でも技術面、精神面ともに成長したと実感している。大会の試合にも緊張することなく平常心で臨めるようになり、去年のブラジル全国大会では1位、今年の8月にラスベガスで行われた世界大会では3位に入賞するまでになった(いずれも女子マスター茶帯ライトフェザー級)。世界大会で敗れた相手は「技術的には互角であったが自分の集中力が足りなかったのが敗因」と分析し、来年の世界大会でリベンジを果たすべく練習に励んでいる。また、移住当初、ポルトガル語はほとんどわからなかったがブラジリアン柔術を習い始めてからはめきめき上達した。
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◎ブラジルでの暮らし
ブラジルでは、家庭で使っている器具が壊れてもできるだけ直して使い続けるのが一般的で、その方が「地球に優しいし、人間味がある」と思う。時間の流れ方も日本ではセカセカして一日があっという間に終わっていた。ブラジルではあっという間に時間が過ぎても、中身が濃い一日だったと実感できる。結婚して12年になるが、夫は愛情表現やスキンシップを絶やさず家事も分担してくれる。
「『幸せ』とは?」と尋ねると、「愛じゃないですか。愛があって思いやりがあって人と接すると心が暖かくなりますよね」。
布施直佐 (ふせなおすけ)
月刊ピンドラーマ編集長
月刊ピンドラーマ2024年12月号表紙
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