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フィンランド🇫🇮の謎肉ケバブ
ケバブといえば、ビーフやチキンを串に刺して香ばしく焼いたものを薄く削ったドネルケバブをイメージしますよね?
フィンランドにも見た目がそんなかんじの“ケバブ”があります。
フィンランドのケバブがあるお店
フィンランドのローカルレストランでは、ケバブがメニューにあるのをよく見かけます。
ハイウェイのレストランでだったり、ファミレスのような店や町のピザ屋(?!)でだったりします。
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フィンランドで「おお、ケバブがあるじゃないか、食べてみよう」といつものケバブをイメージしてオーダーすると、悪い方向に驚くことになるので注意が必要です。
フィンランドでケバブを食べる前にこの記事を読んで期待値を下げていただければ幸いです。
今回は、ドライブ中に寄ったフィンランド各地にある給油所やレストランが一緒になったドライブイン、ABC!のケバブをご紹介します。
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肉が何で出来てるか分からない謎のケバブ
こちらがフィンランドのケバブです。
お皿を見ると一見普通のケバブっぽいです。
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しかし、肉の様子が変です。
群れになって絡まっているケバブ肉を紐解き、展開してみます。
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四角。
平ら。
均一感。
練り込まれた謎の黒点。
そう、なにかが練られて平らになったなにかを細長く切られた謎のなにかの肉です。
肉かどうかもあやしい。。
少なくとも素の肉を串に刺してるとか、それを焼いたり削ったりというプロセスは行っていないようです。
しかも炒めてあるわけでもなさそうで、パウチされているものが熱されてるだけのように思います。
とにかく、普通のケバブではありません。
謎肉ケバブの味は?
まぁ、食べてみましょう。
うーん、全く何の肉かわからない。
かまぼこで出来てると言われたらそう思うかもしれません。
もう少し歯ごたえはあるかな?
黒い点は焦げか、ペッパーなのかもしれませんが、香ばしさもスパイスも感じません。
この謎のケバブにはそれっぽいソースがかかってるので、味はケバブと言われたらケバブです。
ただ、何の肉かわからない。
とにかく謎です。
予想では、小麦粉を多めに練り込まれたソーセージをスライスしたもののような気もします。
(ポークだとすると本格ケバブ的にアウトです。)
日本で土用の丑の時期にスーパーに売ってる、魚肉でできたうなぎの蒲焼風かまぼこ「うな次郎」を思い出します。
原料は魚のかまぼこなんですけど絶妙なテクスチャーとタレ、山椒も合間って、ウナギとは思わないけど、うなぎの蒲焼っぽくて美味い、です。
この謎肉ケバブも少し似ていて、「なんだよ、ケバブじゃないじゃん」と、一度ガッカリしてから、そう言うものだと思うと、「あれ?なんかイケるかもしれない」と思うようになります。
もちろん、本物のケバブより美味いかと言われると、全くそんなことありません。
フィンランド全域で認識される謎ケバブ
問題なのは、この謎肉ケバブが、うな次郎が「うなぎの蒲焼風」と謳っているのと違い、「ケバブ風」ではなくケバブとして売られていることです。
フィンランドでのケバブは、今度こそ本物のケバブなのではと甘い期待を抱いてオーダーすると、ことごとく裏切られます。
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トルコの方がやっているお店に行けば本物に出会えるかもしれませんが、基本的にフィンランドのケバブはこの謎肉ケバブで出来ているのです。
レストランだけではなくスーパーなどで、ホットドッグやサンドイッチと並んで売られているケバブサンドにもこの謎肉が使われています。
そして、皆それをケバブとして何のクレームもなしに食べているのです。
ここまで浸透していると、本物の定義がよく分からなくなってきます。
いや、これ、もしかしたらこれも本物だったりするの?!
謎の中毒性
しかし、不思議なことに慣れてしまうと、やはり「なんか、イケるかも」とやっぱり思ってしまいます。
お腹すいたな、何食べよう?となって、わざわざ「謎肉ケバブが食べたいな」とは思わないのですが、こうしてドライブインなどでメニューにあると、「コレってまた謎肉のケバブなんだよな。たまには良っかな」と本物のビーフのハンバーガーなどもメニューにある中、ついつい選んでしまいます。
少しハラペーニョの効いたソースのかかる謎肉を口に運びながら、フィンランド人のダンナに、
「最初は何だコレ、こんなのケバブじゃない!と思ったし、これからもこれをケバブと認められる可能性は永遠のゼロだけども、なんかクセになる味がするわ」と言うと、
彼は自分のポークプルBBQ(本物)を頬張りながら、
「それはね、フィンランド人なら誰もが通ってきた道だよ。おめでとう」と、謎の祝福をしてくれました。
皆さんも、フィンランドに来てB級グルメが食べたくなったらぜひチャレンジしてみてください?!
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