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フィンランドの地下110mの洞窟でサンタに会う
「例えば、海外から恋人や友達とフィンランドに旅行に来て、“地底の洞窟に観光に行こうよ!”という人がどのくらいいるのかな?
これがアドベンチャー要素満載なエジプトやアマゾンではなく、ゆるふわ観光地(個人のイメージです)のフィンランドで行きたがる人ってどんな人なんだ。」と、
安全第一的なヘルメットを被り、地下100m以上も深い掘削坑を歩きながら、ぼんやり考えていた日のお話。
ロホヤにある掘削坑の見学施設
フィンランドの掘削産業はヨーロッパでも有数で、国内に40以上の掘削坑があります。
採石だけではなく、鉱物の採掘が主な目的です。
今回わたしは諸々あって、ヘルシンキの約50km西にあるLohja(ロホヤ)の採掘坑見学施設「テュテュリ・マイン・エクスペリエンス (Tytyrin Elämyskaivos)」に行ってきました!
〈行き方〉公共交通機関ではヘルシンキ中央北のバス停「hesperiaparken」からLohja行きのバスに乗り「Kauppakatu14」まで約1時間。現地まで2.3kmを徒歩かタクシーで行くのが現実的。
いざ地下110mの地底へ!
掘削のことを英語でマイン、マイニング(Mining)と言い、ここはその鉱石の掘削の歴史や技術を一般の方も体験できる施設。
見学エリアは地下110mにあり、かつて実際に掘削作業が行われていた掘削坑で、坑内に枝分かれして掘られたいくつかの洞窟を探検できるのです。
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超高層エレベーター製造の技術を持つフィンランドメーカーKONE社の技術テストも行われていて、110mを超える地下への旅は、揺れもなく早く安全です。
耳もキーンとしませんでした。
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KONEのエレベーターを体験してみたい!と思ったら、フィンランドの建物でエレベーターに乗ったら必ずと言って良いほどKONEですので、よかったらチェックしてみてください?!
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地下世界へ到着
今回の場所は110m以上の深さがある地底。
特撮ロケ地としても有名な宇都宮の大谷採石場跡が地下30mなので、ここは4倍近い深さです。
さらに下の深さ約600mの地底では、現在も掘削作業が続けられているそうです。
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人々が普段生活することのない100mを超える地底世界にいるんだ、と思うと感慨深いものがあります。
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気温は、空調のコントロールもしていると思いますが、ひんやりしているもののそれほど寒くありません。
実際に使われていた車両や施設が残っており、作業当時の雰囲気が感じられます。
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湧水が絶えず湧いてきているのでそれらは全て地上に送られ、飲料水に活用されているそうです。
水を抜かないと穴の中は水没してしまうとのこと。
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見学していると業界のニッチな内容も随所にあり、大谷採石場ほどの遺跡のような壮大な感じもなく、基本的に「元ガチな仕事現場」といった穴なので、
海外からの観光客もたまにいると聞き、遠方から来て、こういう場所が好きな人はいいけど、そうでなかったら好き嫌いが分かれそうな場所だな、と思い、冒頭の感想を思い浮かべていました。
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ローカルの家族連れも訪れる見学施設なので、楽しめる場所もいくつかあります。
洞窟サウナ
使われる機会があるのかわかりませんが、サウナの展示が穴の奥にあり、煙どこに出ていくんだろう?と思いながらもここでサウナできたら楽しいだろうなとワクワクしました。
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暖かいホットワインをどうぞ
凍えるほどでは無いのですが、ひんやりとした洞窟内で、ホットワイン(Glögi)とジンジャークッキーが用意されていました。
クリスマスシーズンのおもてなしです。
温かいホットワインを頂いて、少し冷えた体もじんわり温まります。
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貸切スペースがある?!
パーティに使える貸切ルームがありました。
ここだけ暖房が効いているのでコートを脱いでも寒くありません。
バーカウンターやステージが用意されていました。
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地底に棲むサンタに会う
秘密(?)の洞窟通路を進むと、サンタの部屋が現れ、家族連れがサンタを囲んでいました。
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小さなキッズがサンタに、クリスマスは必ず家に来るように、プレゼントはこれこれだから、と念押ししています。
せっかくだからとわたしも写真を撮ってもらいました。
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サンタ「キミはクリスマスは何のプレゼントが欲しいのかな?」
kokko「えー、、お酒?ウイスキーかな?!」
サンタ「どんなウイスキーが欲しいのかね。」
kokko「ジャパニーズ・ウイスキー欲しいなぁ(海外だと余計に高いから)。」
サンタ「キミは日本から来たのかな。それは素晴らしいね。わたしはフィンランドは日本の文化と共通しているところが多いと感じるよ。」
kokko「そうかも!おかげでよく調べないまま引っ越して来てしまったけど、とてもスムーズに馴染めています。」
子供に混じって写真撮影に入ってしまいましたが、気さくにお話ししてくれました!
クリスマスシーズン中は、一部の洞窟にクリスマスデコレーションがされ、サンタが常駐しているようです。
クリスマスシーズンが始まり、ショッピングセンターなどでサンタを見かけるようになりました。
ここでもそうですが、ローカルイベント用とはいえ衣装や、特にヒゲの作りが本格的で、プロ?!(※)に近いです。
日本のイベントサンタのドンキで買ってきた衣装と貼り付けたようなヒゲとは一味違います。
さすがはサンタの国!?
(※ロヴァニエミのサンタを勝手にプロサンタと呼んでいます。)
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サンタ、暇そうにする
サンタ部屋の続きの間に大きな空間が見渡せる場所がありました。
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食い入るように中を見ていると、わたしの後ろでダンナと誰かが何か喋っています。
「この空間は高さが70m以上あって〜」と説明をされてるようなのでこちらのスタッフなのかなと思っていました。
そして振り返ると、さっきのサンタがいるではありませんか。
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ふと、サンタ部屋を覗くと誰もいなくなっていました。
誰もいないと、ほの暗く深い地底でひとり、誰かが来るまで待機しているのは暇だし寂しいのでしょう。
見学施設ですが、混み合う場所ではないので人が途切れる時間は多そうです。
隣で人の声がしたからか持ち場を離れて遊びにきてくれました。
ダンナとサンタが「70mもあるし、バンジージャンプできると楽しいよね〜」と楽しげに話しています。
そして何故かわたしと日本のマンガの話になり、彼は「ベルセルクが好き」と話していました。
ベルセルクが好きなサンタ、ギャップがあって面白いかも。
中身はスタッフの方なのかもしれないけど、見た目が本格的なので、本物のサンタが「暇で寂しいな〜」とポツンと洞窟の中にいる画を想像して微笑ましくなってしまいました。
ダンジョンで勇者を待ってる魔王もこんな気持ちなのかも。
しばらく話していると、家族連れの姿が見えたのでサンタは戻っていきました。
サンタの良い暇つぶしになれていたら良かったです!
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おわりに
ヘルシンキの上空40mに到達する観覧車にサウナを作ったと思えば、ロホヤには地下110mの地底洞にもサウナを作ってしまうフィンランド。
もしロホヤに来ることがあれば、この採掘坑見学施設「テュテュリ・マイン・エクスペリエンス (Tytyrin Elämyskaivos)」に足を運んでみてください。
(誰が行くんだ、と、冒頭に戻る。)