チューリッヒ🇨🇭でビアハウスからオクトバーフェストをハシゴした日
弾薬庫を改装したビアハウス
雨のチューリッヒで、散歩の最後に入ったビアハウスから、散歩の様子は先日お届けした通りです。
このビアハウスはローカルにも観光客にも人気のツォイクハウスケラー(Zeughauskeller)というお店で、元弾薬庫という広く天井の高い店内は常に賑わい、大きなテーブルに友達も他人も相席して大きなビアジョッキでカンパイする、ドイツのミュンヘンのホフブロイハウスを彷彿させられるビアハウス。
この日は、夜にチューリッヒ中央駅で開催されているビール祭り、オクトバーフェストに夕食も兼ねて行く予定です。
あまり夕食に響かないようにビール一杯だけね!と自分に言い聞かせながらビアハウスに入ったものの、店内の活気ある雰囲気にのせられ、やっぱりランチがてら食事も少し、という気分になってしまい、ビールとこの店の名物料理のひとつ、シュバイネハクセ(schweinshaxe)をいただくことに。
6人掛けのテーブルで、ビールを飲んでいるときは同じテーブルに中国人カップルがいましたが、ビールが来たときには私だけになり、広々とテーブルを使います。
店内はとても賑わい、注文をとりに来るウェイターも、料理やビールを運ぶウェイトレスも、厳しい顔つきで忙しそうに働いています。
ホフブロイハウスもそうですが、こういう賑やかで大テーブルで相席も厭わないドイツ式のビアハウスは、誰かと来てワイワイ盛り上がり、時に隣席になった見知らぬ人とジョッキをぶつけ合うのが醍醐味でもあると思います。
しかしなぜかわたしがこうしたビアハウスに来る時はいつもボッチ。。
最終的に酔って誰かとプロスト(乾杯!)はするのですが、どうしても周りの喧騒の中に一人だと気後れしてしまい、やっぱり気の合う誰かと来たいよねっていつも思います。
ともあれ、一人だとしてもこの店に来れたのは良かったです。
シュバイネハクセは人生一度は食べるべき料理
さて、今回生まれて初めて食べるシュバイネハクセ(schweinshaxe)が目の前に来ました。
思ったよりバカでかいです。誰かとシェアするにはちょうど良い大きさです。
これ、この後ディナー行くけど大丈夫かな、、と不安になりながら口にします。
う、うまい!!
シュバイネハクセはハーブで煮込んだ豚のすね肉をオープンで焼いたドイツやスイスなどで食べられている伝統料理です。
ツォイクハウスケラーのシュバイネハクセはグレービーソースがかかり、ほろほろ肉と焼いた香ばしさとソースが絡まり素晴らしいコンビネーション。
ほっぺが落ちるとはこういう事か!と謎の納得をするくらいに美味しかったです。
添えられたビネガーの効いたポテトがコクのあるソースのお肉とよく合います。
わたしはアイスバインは大好きなのですが、似た雰囲気のあるシュバイネハクセは初体験。
簡単に言うとアイスバインをオーブンで焼いてソースをかけたものです。美味しくないわけがない!
アイスバインはもっとシンプルで、コレはこれでシンプルにハーブと肉の旨味を感じられる料理ですが、シュバイネハクセはもっとポップ(?)で複雑さもあります。
また食べたい!フィンランドで店を探そう!なんなら作ろう!
ツワモノには挑戦してほしいビア・フランベ
さて、他のテーブルで見かけた脚の長い大きなカクテルグラスのビールが気になり、飲んでいた4dlのビールももう無くなりそうだったので、近くを通りかかった女性スタッフに、
「他のテーブルで見た、足が長くて大きなグラスのビールが飲みたいんですが注文できますか?」と聞くと、
女性の厳しい顔がなぜか一気に笑顔になり、
「フランベ?フランベね!」
と喧騒に負けないように強く言った後、OK!と笑顔のまま立ち去って行きました。
ビール一杯のつもりが料理がおいしく、お酒なくてはやっていられません。
その後、空いていた私のテーブルの他の席にもポルトガル(たしかそう)から来たという男性3人組が着席してビールをオーダーし、彼らのビールが来るも、わたしの“ふらんべ”なるビールは来ません。
とりあえず同席の日本の練馬に住んでいたというポルトガル人たちと、自分の空のジョッキで「カンパイ!」します。
その間、男性スタッフが何度か「フランベだよね!?」「すぐ来るからね!」と声をかけに来ます。
なんだか仰々しいなと待っていると、男性スタッフが空のグラスと何やらいろんなものを持ってきました。
そしていきなりビールでない液体がもこみちのオリーブオイルくらいの高さからグラスに入り、わたしと周囲のポルトガル人の頭に「?!」が浮かびます。
仰々しさに同じテーブルのポルトガル人たちもビックリでカメラを構え始めます。
周囲の方々も何が始まるのかと興味津々です。
すると突如火をつけ始め、周りに歓声があがります。
なんじゃこりゃ?!
動画を撮ったのでインスタに載せてみました。
最終的にはビールも入り、謎のビアカクテル?が完成しました。
後で調べたところ、これは「Bier Flambe(ビア・フランベ)」というこのお店の名物ビールカクテルでした。
高アルコールのお酒にビールでも使われている大麦をグラスに入れて火をつけ香りを出し、大体燃え切ったところでビールを並々とつぎ、最後にまた大麦を加えます。
ビア・フランベが完成し、写真を撮っていると、後ろのテーブルの方が、
「とても興味があるんだけど、こんな大きな飲み物飲める気がしないから写真を撮ってもいいかな?!」
とワクワクしながら声をかけてきます。
もちろんOKです。この瞬間わたし(のオーダーしたビア・フランベ)はすっかり注目の的、人気者でちょっと恥ずかしい。
これをオーダーするのはお店としても若干イベント事なようで(レアというわけではない)、ちょっとだけ勇者になれた気がします。
さて、お味は、と口をつけます。
あ、熱い!
散々燃えていたのでグラスが熱いです。
フーフーしながら、なんとか口を付けて液体を口内に流し込みます。
アルコールのパンチの効いた香りの中にふわっと薫る香ばしい麦のアロマ。
アルコール自体は強くはなく飲みやすいです。
香りがリッチになったビールです。
そして、焼いた麦が噛むと香ばしい風味がします。
麦粒はちょっと硬いので、これはあくまで香り付けで食べなくても良いものかもしれない。
しばらく置いていると柔らかくなってはきます。
総評としてビア・フランベはすごく美味しいとも言い切れませんが、パフォーマンスや周囲の方々との一体感、味と体験も含めてとても思い出に残る飲み物でした。
料理の皿とビア・フランベのグラスが空になるころには、すっかりお腹もいっぱいでほろ酔い気分。
同席のポルトガル人のアミーゴたちにアディオスして、お店を後にしました。
数時間後のディナーまでにお腹を空かせられる自信ないなぁ。。
チューリッヒ中央駅でオクトバーフェスト!
さて、すっかり良い気分でホテルに戻ったのは午後3時。
このあと5時からはチューリッヒ中央駅構内で開催されているオクトバーフェストにディナーに行く予定です(またボッチ)。
だいぶお腹もいっぱいなのですが、今朝、駅で広告を見てそのままオンラインで申し込みをしてお金を払ってしまい、今更キャンセルもできません。
この週末、ドイツのミュンヘンで開催されている本場のオクトバーフェストが終了で、チャンスはあったのに行くのを断念しており、せめてスイスで雰囲気でも感じたかったのです。
以下はチューリッヒのオクトバーフェストの予約サイト。
料金は3タイプです。
とりあえず行くだけ行くか、と5時過ぎに会場へ向かいます。
チケットには席の他にビール1杯と食事1品が含まれています。
メニューから好きなものを選べます。
とりあえずドイツ語が読めないのでなんでもいいや、と、ビールは一番最初のやつ、料理は一番高いものを選びました。
参加費がCHF69だけど、ビールがCHF17で、料理のCHF31.5を合わせるとCHF48.5なので、残り席料と思えば悪くないんじゃないでしょうか。
わたしの席は、上の会場図のグリーンの席の一番前で、それでもステージが少し遠いのですが音もよく聞こえるしあまり気になりません。
律儀に午後5時に来ちゃったけどイベントは11時までやっていて、席も入れ替えではないので何時に来ても良く、平日だしまだ全然人がいません。
平日の午後5時の食事の席にだいたいの人が当然のように来れるのはフィンランド人くらいです。
音楽は生演奏でドイツのカントリーミュージックでしょうか。
とても心が躍る旋律です。
心だけではなく体も躍る人たちがステージの前でくるくるしています。
お客さんの中には紐でウエストが締め上げられてお腹が苦しそうな民族衣装を着ている人がいました。
そういえば、ドイツのオクトバーフェストに行った人が「あの腰の紐をあらかじめ緩めておくのが大事なのよ!ビールですぐいっぱいになるから」と言ったのを思い出します。
それにしても可愛い、わたしも着たいな。。
音楽を聴きながら大きなホールでビアジョッキを煽っているラフなTシャツとデニムのわたし、これでは日本のビアガーデンに来ている図と同じです。
カタチから入る人間のわたしは、せっかくオクトバーフェストに行くなら衣装着ないとダメよね、とミュンヘンに思いを馳せます。
そんなこんなに頭を巡らせていると料理が来ました。
そしてその料理を見て絶句しました。
あれ?デジャヴ??
似たような料理をわたしは数時間以内に見ています。
わたしは夢を見ているのでしょうか。
メニューをよくみると、たしかにオーダーしたメニュー名にSchweinshaxn(シュバイネハクセ)の文字が途中にある。。
全然読んでいませんでした!(こら)
値段が高いものを選んで出来るだけ元をとらないと、なんてケチくさいことを考えた末の結果です。
激しく後悔すると同時に、昼間見たシュバイネハクセと様子が違うことに気づき興味も湧きます。
昼のツォイクハウスケラーのシュバイネハクセはグレービーソースがかかっていましたが、このオクトバーフェストのシュバイネハクセは、表面がこんがりとして赤い香辛料の色も見えます。
付け合わせはザワークラウトとマッシュポテトで、これも昼のポテトと違います。
ドイツの一般的なスタイルはこちらなのでしょうか。
とりあえず食べてみます。
う、うまい!!!
表面のよく焼けた肉にペッパーやナツメグのスパイシーさと旨味がぎゅっと詰まっていて、その下の層のアイスバインのような茹で豚のホロホロ肉があり、同時に口に入った時の1粒で2度美味い贅沢さったらありません。
昼の付け合わせのビネガーのポテトもそうだけどザワークラウトの酸味のある付け合わせがめちゃくちゃ合う。
クリーミーなマッシュポテトもいい、いいです!!
これはやばいです。
これだけの大箱だし、日本のビアガーデンみたいなチープで雑な料理が来るのかなと思ってしまったことを猛烈にお詫びしたいです。
しかし、どれだけ料理が美味しくてもわたしの胃は四次元ポケットではないため、大半は食べきれず完全にフォークが止まってしまい、民族衣装を着たフタッフの方が片付けますか?と聞いてきたので、「持ち帰らせてください!」とお願いしました。
ご丁寧に蓋つきの容器と紙袋をいただいて、皿の上のものも全部いただいて帰ります。ありがたい!
1リットルあるビールだけなんとか飲み終えて会場を後にします。
昼から飲みっぱなしで疲れたけど、充足感でいっぱいです。
なかなか1日に2回もシュバイネハクセをホールでハシゴする人はスイスにもドイツにも居ないのではないでしょうか。
でも、二つとも異なる味わいで、実に興味深いです。
アイスバインはどこで食べても大枠は違わないのですが、シュバイネハクセはスパイスの使い方やソース、付け合わせで個性が出せそうです。
店や地域ごとにちょっとづつレシピが違うのでしょう。
これは色々と巡ってみたいものです。
日本でも食べたい!
おわりに
わたしの思いつきと成り行きで巡る一人チューリッヒ散策いかがだったでしょうか。
考えなしすぎて大変なこともありましたが、おかげで楽しいこともありました。
オクトバーフェストについてはやはりドイツにも行きたいし、民族衣装も着たいなと来年に期待しています。