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「悲愴」第2楽章が見せる、ベートーヴェンの「音楽レシピ」

2020年に生誕250周年を迎えたベートーヴェン。「楽聖」と讃えられるにふさわしい才能は誰も疑わないですが、何が素晴らしいのかを語るのに、音楽を展開するテクニックは欠かせない要素だと思います。

今回はピアノソナタ第8番「悲愴」の第2楽章を例に、その天才的な技法を紹介してみたいと思います。

全体について

この曲は大きく分けると[A-B-A-C-A]、つまり「小ロンド形式」になります。Aの部分(次の譜例)が「ロンド主題」となって曲中何度か繰り返される間に、BやCの雰囲気の違う場面が挟まる形です。小ロンド形式はロンド形式の中で最も単純な作りになっています。

A(主題)について

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