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ちょっと前にヨーロッパ横断をした話6(11/15
ドイツ ミュンヘン/オーストリア ザルツブルク)

プラハ→ミュンヘン→ザルツブルク

プラハでの最後の朝を満喫し、中央駅に向かう。
ミュンヘンに向かうべく、高速バスに乗る予定だ。
高速バスは、駅前道路の目立たないバス停から出発する。

駅を探索していると、少しのんびりし過ぎたかと思い、急いでバス乗り場へと向かう。
駅前の片側2車線の道路の両方向にバスが停まっており、自分が乗るべきバスとは反対方向のバス停に行ってしまった。

のんびり写真を撮ってる場合じゃなかった。

この時点で出発1分前、反対車線に行くには面倒な地下道を通らなければいけない。重たい荷物を持っていたので、この制限時間では最早ゲームオーバーだった。

乗るはずだったバスを、見届けミュンヘンに行く代替の便を探すことに。とんだ失態だ。

お別れを告げたはずのプラハ駅に再び戻り、往生際が悪さを見せつける。
駅の電光掲示板を凝視していると、ミュンヘンに向かう電車を発見。
さっきの件でバスには懲り懲りした。
今日ばかりはバスよりも遠回りで時間は多少かかるが、この電車に乗るることにした。

一番下の11時45分発ミュンヘン行

ミュンヘン行きの列車は客車列車だ。
社内で印象的だったのは、個室形式で座席が向かい合うあるコンパートメントだった事だ。
コンパートメントと言うと、ハリーポッターでホグワーツに向かう列車のシーンで見覚えのある人は多いのではないだろうか。

自分もその一人として、映画以外でコンパートメントを初めて見たことに心を躍らせた。

コンパートメント
チェコの田舎の駅。いくら何でもホームが狭すぎないか。

「世界の車窓から」で流れるような旅を送る。
列車は順調に進んでいたが、ミュンヘンまでを直線で結んでいるわけではなく、幾つか迂回をして向かう。国際線というよりかは、そのままドイツに抜ける準急のようなイメージだった。
そのため、全線を乗り通したのは自分しかいなかった。プラハで乗ってきた乗客は皆チェコ国内の駅で降りていった。
そして、国境を超えてミュンヘンに着くころには、ドイツ国内から乗り込んだ乗客で埋め尽くされていた。

面白かったのは、ドイツに入ってから数多の乗客が瓶ビールを片手にしていた事だ。
瓶という開けたら後戻りできない容器と共に車内に乗り込む様に圧巻される。
ミュンヘン中央駅(HBF)には、17時過ぎの到着だったので恐らく宵への準備に勤しんでいたのかもしれない。当日は木曜日で、華金でも何でもない。ドイツの日常はこんななのだろうか?
”なんでもない日乾杯”とは、まさにこの事だろう。

ミュンヘンHBF

出発の時は読書に勤しむ少女が乗っていた静かな車内は、ミュンヘンに着く頃にはすっかり宴会場になっていた。
七変化ならぬ二変化の車内を過ごし、やっとの思いでミュンヘンに到着した。
あのバスに乗れていたらもう少し早い時間に到着予定だったが、すっかり夜になってしまっていた。
滞在時間が少なくなり、半分やけくそでミュンヘンの町を歩く。
繁華街を歩くと、歩行者天国の中にトラムがぶった切るように走り抜ける広場があった。
これは、トランジットモールと呼ばれるらしく、ヨーロッパではたまにある景色らしい。

ミュンヘンのトランジットモール

街中を散策するには夜も遅かったので、近くのスーパーで適当に選んだビールを2本購入。やけくそだ。
そして宿に戻った。

ドイツのやけくそビール。飲み方もやけくそ。

ミュンヘンの宿で、なんだか見覚えのある人がいた。
前回泊まったプラハの宿でみた韓国人の男性だった。
彼もプラハからミュンヘンに移動してきたよう。
プラハに滞在していた時は話す事はなかったが、お互いこの偶然に黙っている訳にもいかなかった。
話をしてみると、どうやら彼はミュンヘン近郊にあるノイシュバンシュタイン城へ行くと言う。
彼も自分と同じく学生で、留学か旅行で来てるとの事。

その後、お互いの国の事を少しばかり話した。
内容はそこまで覚えていないが、政治の対立と個人の付き合いは別だよねみたいな話になった。
ニュースで見る日本と韓国の揉め事は、向こうでも同じ様に報道されているよう。
自分たちの世代は、そのような報道が仮に続いたとしても、いい意味で気にしすぎる事なく仲良くしたいと思ったりした。

短いミュンヘンの滞在を終え、オーストリアはザルツブルクへ移動。 
バスで、3時間余りの旅だった、

オーストリアに入ると、段々と車窓は山脈を映し出すようになる。荘厳な山を見るとテンションが上がる。

何もない所へ降ろされる

バスは、明らかに街の郊外に到着。
「え、ここで到着?」
突然降ろされ困惑している中、愛用していたウォークマンを車内に忘れる事に気づく。
その時ちょうどバスが出発し、ウォークマンとの永遠の別れを悟った。
仕方ない。ここはひとつ、現地の方に拾ってもらい日本の音楽文化を継承してもらおう。

気を取りし、近くのバス停から町の中心に出ると思われるトロリーバスに乗り何とか中央駅までたどり着いた。

ザルツブルクでは、現地に留学している友人と会う予定だ。
しなし、合流する前に中央駅までどうやって行けばいいか連絡を頻繁にしてしまったせいで、いざ会った時に久しぶりに会った感動が薄れてしまった気がした。

岩壁にはさまれているような街。

友人は、現在学んでいる大学と学生寮を紹介してくれた。寮は立派な一人部屋で暮らすには何一つ不自由がなさそうだ。近所にはSPARがあり、買い物にも困らない。
そういえば、近所にSPARってコンビニがあったが、いつの間にか無くなっていたような。

SPAR(ヨーロッパに展開するスーパー)

小休憩を終えて、ザルツブルクの旧市街に移動して散策する事になった。
元々、岩塩が採れる地域だったことから、saltの意味が入ったSalzburgという地名になったんだとか。
旧市街の建物は奥行きがあり、等間隔に建物を貫通するトンネルのようなものがある。冒険心がくすぐられる。

トンネルの中にもショーウインドウやお店がある。

友人によると、有名なホットドック屋があるという事でそちらに向かう事に。
幾つものトンネルを入っては出てを繰り返し、ようやく到着。

実食。
これまで食べてきたホットドックとは一線を画す味と食感がした。全体的にスパイスの効いた味わい。軽い食感を感じながらも、しっかりボリューミーな感じ。

身近な例で言うと、ディズニーシーで売ってるユカタンソーセージドックのような雰囲気。

ユカタンソーセージドック

コンパクトで周りやすいザルツブルクはとても魅力的な街だった。
ただ、唯一天気に恵まれなかったのが心残り。
天気が良ければもっと雄大な自然の写真も多かったはずだ。

(続く)


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