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ニュージーランド 航空英語証明 Aviation English Proficiency Test 1

2008年あたりだったろうか、全世界的に国際運航をする全てのパイロットにAviation English Proficiency 航空英語証明取得の義務ができた。海外でパイロットになるにはどうしても必要な資格で、海外航空会社に応募する際には最低限レベル4以上が必要である。

しかし、この航空英語とは管制用語とは全く異なるもので、口語で管制官と意思疎通が取れる能力だ( Plain language )。パイロットや管制官は英語を話していると思われるが、実はそうではない。基本的に管制官とのやり取りは、決まりきった管制用語(standard phraseology )を使って行われる。だから、パイロットでないNative English speaker が聞いたとしても”?”となる。非常に特殊な”英会話?”である。だから、全く英語が理解できない人でも、ある程度、管制用語さえ覚えてしまえばこの”英会話”のようなことは直ぐにできるようになる。

しかし、決まった管制用語だけだと、どうしても足りない状況があったり、管制用語以外の言葉が必要な時が多くでてくる。その際は上記のplain languageでコミュニケーションを取らなくてはいけなくなる。ではなんで英語しか使われないのか?別に管制官もパイロットも日本人同士なら日本語を使えばいいじゃないか? そのとうり、日本ではStandard phraseology から抜け出る場合、日本語を使っている、、、、認められている。確か、分厚い管制基準方式というものに書いてあったような気がする。フランスも同じように、フランス語を使ったり、その国でオペレーションするには、その国の言葉でオペレーションすることは問題ないことが多い。しかし、海外から来て、その国の言葉を理解できないパイロットがいるので、やっぱり統一言語が必要になるし、周りで理解不能な言葉を話されると、どうしてもSituational awarenessが極端に下がる。(極端に言えば、英語ができないのに、KIWIのパーティーに一人で乗り込む感じか??)言語による意思疎通が原因で起こる事故も多い。(そのために、ICAOは全ての国際運航するパイロット、管制官にある程度の英語での意思疎通能力を求めた結果、English proficiency testができた。)だから、このAviation English proficiency testというのは、決まりきった管制用語ではなく、Plain language で英語を使える能力をテストされるのだ。これはどちらかというと、TOEICやIELTSなど航空とは全く関係ない英語テストだ。

航空英語証明は、航空に関してのトピックにのみ限られていることと、実際の会話能力だけに絞られているところだ。今、私が書いているパイロット面接対策が、これにとても近い内容で、私自身の勉強でも使えた。実際の航空英語証明テストの内容は、パイロット面接の内容より、ずっと簡単なので、この英語面接対策をすることはニュージーランドの航空英語試験対策として使える。また、面接準備をすることで、Interactionの技術が付き、ネイティブ達に英語が話せると錯覚?させることも可能なスキルを身につけられる。


たとえば、テストではこんな事を聞かれる。

Why do you want to be a pilot ?

Why do you need to check your aircraft before a flight ?

How would you get a help from ATC if you had a fire on board? 

今、一生懸命に頭をひねって考えている面接内容よりずっと簡単な内容だ。だから面接で自信をもって答えられるだけの能力があれば、かなり自信もってニュージーランドの航空英語証明は取得できるはずである。


現在、世界の航空会社では色んな人種のパイロット、キャビンクルーがごちゃ混ぜで一つのクルーとして航空機を運航している。それを支える、管制官や、地上員なども同じだ。航空管制のみならず英語が必須になってきている、残念ながら。また、コロナ前の航空需要の拡大でクルーが不足し、海外航空会社では沢山の外国人たちを雇っているし、全世界でこの傾向はさらに進むと思われる。Multi cultural crew, company とか言われるようになってきて、パイロットなどのクルーだけではなく、全社員の共通言語というものが必要になってきている、Common languageと呼ばれたりする。 

これからあなたが目標としているのは、日本以外の外国で飛ぶ事、外国で飛ぶには日本語は全く通用しない、日本語は日本人だけしか通用しない。海外航空会社に就職しようと考えるなら、英語は絶対に避けては通れない道になってきている。

「それはフェアじゃない!Non native English speaker にとって不利じゃないか!」そういう人がたくさんいる。

実は、英語のできない私も強くそう思っている。

Native 達にも同じように英語のテストがあるが、これは彼らに分がありすぎる、だって自分たちの言葉だもの。しかもニュージーランドでは、Native達には間違いなくLevel 6(最高位)がだれでも取れてしまう。まだ、ほとんど飛行機に乗ったことのない連中が、英語が話せるという理由だけで100%皆、Level 6 を取得してしまう。私は10年以上、パイロットとして何度も難しい局面を管制官と英語でやり取りして解決してきたが、このテストになると、イントネーションが悪いというだけでLevel 5 から抜け出れずに何年も苦しんだ。しかもだ、大多数の航空会社はこのProficiency test の評価で応募要件を区切っている。とくにニュージーランド、オーストラリアなどのEnglsih native country の航空会社に応募するにはLevel 6が必要になっていることが多い。これはNon native のパイロットにとって、就職のチャンスを言語で押さえつけられてしまっている状態なのだ、私もこれのおかげで色んなチャンスを逃してしまった。これはICAOが目指した方向とは全く違うと思うのだ。私の場合、ニュージーランド航空に入社した際は2007年だったので、まだ、そんなテストは無かった時代だ。しかし、入社したとたん、全パイロットにLevel6(最上級)を取得しろと言われて、えらく苦労した。どうしてもLevel 5から抜け出れずに苦労し、練習の為にかなりの時間と労力を費やした。2008年前であれば、それこそ、飛行経験だけで海外航空会社に応募できたが、現在では、この航空英語証明の取得が応募の最低条件、機長へのアップグレードの最低条件になっているところがほとんどである。

海外でやっていくにはこの最高位であるlevel 6は取得しておいた方が良いのは間違いないし、自信をもってオペレーションするためには、自由に英語を使える方が良いに決まっている。(KIWIのパーティーに行っても人気者になれるし、ブロンドのCAと”飛行機”についてベッドで語り合うこともできる?)

少しずつでも良いので、Level6を取得できるように、今から準備しておくこべきで、必ず将来役に立つ。



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