普通の人は絶対知らないパイロットの仕事の苦労とは?


みなさんこんにちは。

現役パイロットです。

今日は知られざるパイロットの苦労についてお話します。

なぜパイロットの苦労についてお伝えするかというと最近、あまりパイロットについて調べないのに試験に合格し、そのギャップなのかモチベーションが低い訓練生がよく見られるからです。

少しでも"こんな大変な事があるんだ"ということを知って頂き、それでも自分はパイロットになるんだ!という強い気持ちで挑んで頂きたく思います。


①勉強が一生続く

おそらくパイロットになりたい人はご存知だと思いますがパイロットの勉強は一生続きます。パイロットをやっていると知らないことは無限に出てきます。法律、規定も頻繁に変わります。法律、規定の変更は皆様にも想像がつきやすいかもしれません。他によく変更されるものとしては各空港の進入、出発方式があります。

最近でいえば羽田も成田も出発、進入方式が変更になりました。東京にお住いの方は気づいたかもしれませんが、渋谷の上空を午後3時くらいになると飛行機が低空飛行してませんか?

あれは今までなかった進入方式が国が新たに設定した為です。主にオリンピックと日本の航空需要が上がるため、設定されたものです。

今までやったことのない進入を行うためにはパイロットは色々な準備を事前に行わなければなりません。

どこで減速を始めて、どこでフラップを降ろすのか、どこで車輪を降ろすのか、滑走路の見え方は?障害物が周りにあるか、必要な機器が途中で故障したら?進入方式が変更になったら?などなど、考えることは無限にあるのです。

それが就航してる空港の数だけあるのでそれだけでも大変です。

どんなベテランの機長でさえも事前の準備無しには飛ばせません。フライトの9割は地上で行う。それがパイロットの大変なところであり、醍醐味や楽しさでもあります。


②身体は一生気を使う。

これは良いところもかなりあるのですが、人間は歳をとるにつれて悪いところがどんどん出てきます。肝臓だったり、視力だったり。不摂生をすればなおさら加速していきます。

ただでさえ、パイロットは気圧の低い上空を上がったり降りたりし、大量の紫外線に晒されています。何も対策せずだらだらと運動もせず、気を使わなければ身体をダメにしてしまい、航空身体検査に合格しない身体になってしまいます。

周りの機長、副操縦士を見ても休日やステイ先ではランニングや筋トレ、趣味のスポーツをしたりと気を使っている人ばかりです。

ぜひ皆さんも何か運動する習慣をつけておくと良いでしょうね。


③時差や生活リズムが不規則である

私は個人的にこれが一番きついです。生活リズムや時差は全く気にならない人もいますが大抵の人はきついという方が多いです。ある日は朝の2時代に起きたり、深夜のフライトがあったり、特にアメリカ路線は時差がきついでしょう。これはもう慣れるしかありませんが、それ以上の対価(高い給料とやりがい)をもらってることをで納得するしかないなと自分に言い聞かせています。これはやってみないと分からないと思いますが少しイメージして覚悟を持っておくと良いかもしれませんね。


如何でしたか?少しパイロットの苦労を分かって頂き、自社養成や航空大の試験に受かった後のギャップを少しでも無くせたら良いなと思います。



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