pilgryNOTE月報24.07|World Listening Day!!
TMR/音の巡礼のこと
World Listening Day 2024@神保町 試聴室
さまざまな音を景観として捉える「サウンドスケープ(音の風景)」という概念を提唱した、カナダの現代音楽作曲家マリー・シェーファー(R. Murray Schafer)。彼の誕生日である7月18日は「World Listening Day」と呼ばれ、毎年世界各地で音に関連したさまざまなイベントが行われている。
7月28日(日) 神保町にある試聴室にて、World Listening Day 2024 時の織りを聴いて というタイトルで、Marcos Fernandesさんを中心とする不定形のユニット Tokyo Phonographers Union がセッションを行った。過去には、先日急逝された sawako さん、2022年に惜しくも事故で亡くなった岡田晴夫さんも World Listening Day に参加していたことから、今年はお二人への追悼の意味も込めた開催となった。
僕は聴衆の一人として参加するつもりだったが、webフライヤーに記名があり驚いた。なんと Tokyo Phonographers Union の一員としてセッションに参加することに、、、いつもは夜にライブをみにいっている試聴室で、昼からしかも出演者側でなんて、思いもよらないこと。現地に着くまで、何をするのかよくわからずに不安だった。
しかし試聴室に着くと、過去にMarcosさんと The Metaphers というバンドで誰そ彼に出演いただいた清水博志さんがお隣で、親切に教えてくださったのでセッションを楽しむことができた(ありがとうございました!)
セッションというのは、出演者それぞれがフィールドレコーディングしてきた音を即興で重ねていき、ひとつのサウンドスケープをつくりあげる試み。今回はポルトガルから来日中の Joao Pimenta Gomes さんがモジュラーシンセで音に変化を加えてくれて、これがまた気持ちいい。かっこいい。
自分も、これまで「音の巡礼」で録音してきた音の中から選んで再生し、間をみはからって、逸脱しすぎないようにはみ出てみたり、溶け込んでみたり、その駆け引きをなんとも面白く感じた。それぞれの録ってきた音の個性がわかると嬉しい。またやりたいなあ。
岡田晴夫さんSawakoさん追悼setでは、岡田さんが身延山で録音した鐘やお経の音、sawakoさんのワークショップ@高尾山での「音あそび」の音(sawakoさんのうたも入ってる)などを重ねて、お二人に思いを向けるることができた。
セッションの中でかけさせてもらったお寺の音たちは、神奈川県 最明寺の護摩祈願法要(イントロ部分)、福島県 壽徳寺 松村妙仁さんの声明、身延山での水行&ケーブルカーのガイドさんの声、恐山の風車、亀岡 真福寺の蜜蜂の巣箱の中の音などなど。
音のこと
Cornelius 30th Anniversary Set
7/2(日) 伊豆・正蓮寺で2024年の「みんなのお盆法要」に参加したあと、有明へ移動してCornelius 30周年記念ライブ@東京ガーデンシアター、へ。
めちゃくちゃ暑い日、移動すらもしんどい、、、そんな酷暑の中、物販の先行販売に行列ができていて、欲しかったTシャツは販売開始1時間程度で完売、、、みんなすごいや(後日、受注生産に申し込めたけど)
パンフレットやトートバッグやバッジなどを購入して、ライブまで少し時間があったので(何にせよ暑くて)会場隣接の商業施設に退避してベンチでひとりパンフレットを読み耽っていたら、隣におそらく自分より若い男性が腰掛けてカセットテープのウォークマンを取り出した。
今回のライブは「お土産付きチケット」なるものがあり、それを買った人はライブ音源入りのカセットが手に入る。自分もカセット欲しさにそのチケットを買っていたが、ウォークマン持参の準備はなかった。しかし、同じようにライブを心待ちにして、イオンのような商業施設のベンチでカセットを開封して聴いている男性のその姿を妙に嬉しく感じる。
そういえば1995年のシングル「MOON WALK」はカセットテープで発売されたんだよなあ。色んな色が出て、当時、成増にあった映音堂というCDショップで赤を予約した。なんか500円くらいだったような、、、。
ライブ前に、こういう「モノ」でも楽しませてくれる感じ、Corneliusらしい。
そしてライブは、予想の遥か上をいく祝祭感だった!
MCほぼなし。選曲と演奏と映像と照明で、あの場をつくりあげること。すごく客観的で多角的に自分をみている人なんだなあと、あらためて感じた。
パンフレットには(小山田圭吾が好きな)1000曲のプレイリストと、音楽つながりのファミリートゥリーが載っているのだけど、「系譜」の人だなあとも思う。90年代以降に自分が聴いてきた様々な音楽が走馬灯のようにフラッシュバックして涙でた。亡くなられた人たちのことも思いだしたりした。
Thank you for the music.
Brian Enoドキュメンタリー映画のサントラ、いいジャケ
「ベスト盤」みたいなのを編むことは難しいアーティストだと思うけど、これまでつくってきた音楽の多様さが垣間みれるコンピレーション。
どうしても ”アンビエント音楽の人” というイメージが固定化しているが、このサントラを聴けばアンビエント音楽はほんの一面に過ぎないってことがわかるだろう。
歌もいいんだよなあ。一番好きな「By This River」を弟のRoger Enoと演奏しているライブ音源がラストに収録されていて、はやく日本でも映画公開してほしいなあ、、、と願う。(できたら来日公演も!)
#Alborg の1stアルバム、待ってた!期待通りのジャケット、サウンド。ありがとう!長く聞く一枚になるだろう。
アコースティックな「Same Page」ではじまり、エレクトリックな「Same Page!」で終わるのは、Neil Youngの「Rust Never Sleeps」やYo La Tengo「Painful」系譜の構成だ。
この流れで他の2枚も聞こう。
30周年ということで、7月はCorneliusに気持ちを向けていたら、たまたま寄ったココナッツディスク池袋店にて、1996年のRemix盤「96/69」のLPに出会った。この頃、日本でもRemixが盛んになり始めて、Remixのしあいが楽しかった時代。岡村靖幸、砂原良徳、想い出波止場、石野卓球、スチャダラパー、小西康陽、シトラスなどなど、当時も今も大好きなアーティストが勢揃い。CDで持ってたけど、LP嬉しい。サブスクには無い音源だし。
お寺のこと
京都出張2days
8/4(日)まで、京都国立博物館で開催されている「豊臣秀次公430回忌 特集展示 豊臣秀次と瑞泉寺」展をどうしても見たかったので、7/27-28は京都へ。
瑞泉寺は、この月報でもなんどかご紹介しているイラストレーターであり僧侶の中川学さんが住職をつとめるお寺。数年前に『地域寺院』誌でインタビューさせていただいた際に、瑞泉寺は豊臣秀次一族の菩提を弔うために建てられたお寺であると、その悲しい物語と共にお聞きした。
豊臣秀次と秀吉の関係性やそれにまつわる悲劇的事件については史実としては何となく知っていたが、430年も前の出来事である。それを今に伝え続けること。「お寺」という場所の、語り部としての側面を実感するまたとないケースだと思っていた。
また、三条河原で一族が公開処刑された折に、継室・側室20名が詠んだ辞世の和歌が残っている。一つ一つを綺麗な着物の布で表装した書があると聞いて、それは見てみたいと思っていた。この度の展示は、自分としては待望だったのだ。
そしていざ、作品に対面。
一つ一つの歌をじっくりと読む。名前、亡くなった際の年齢や出自を知るとさらに無念の思いが込み上げてくる。法名もある。一人一人の個性や姿を想像する。歌の雰囲気から、ご本人のことが少しわかるような気もする。
なんともいえぬ深い、重い時間だったけれど、これは本当に実物を見ることができてよかった。
各人の辞世の和歌が懐紙に書かれているが、その懐紙に折り目があったり、筆跡が異なるので自筆という説もあるようだが、後世に当時を偲んで書かれたものではないかとあった。着物の布も江戸時代のものらしく故人の衣服を用いたというわけではないようだ。
夜は、中川学さんとご長男の龍祝さん(今年、未来の住職塾を受講してくださっている)、そして僕と学さんをつないでくれたライターの杉本恭子さんも一緒に食事をできたことが嬉しかった!
一つのお寺に伝わる様々なものが、国立博物館で取り上げられるというのもすごいこと。中川さんご家族は大変苦労があったことと思うが、見事に成し遂げられたことのお祝いと感謝の気持ちを込めて。
京都二日目の午前は、亀岡 真福寺の満林晃典さんに会いに行った。「水」にまつわるおもしろあやしい話(笑)をたくさんお聞きして、水琴窟や蜂の巣箱の中の音などを録音させてもらう。音やお話しはまた別の機会で報告しようと思う。
午後は滋賀にある「西の苗場」こと、おごと温泉フジロック中継会場にて、フジ行けなかった組でハイネケンと王将餃子をいただきながら、プロジェクタービューイング。
帰り道、琵琶湖のむこうで花火がドーン
なんかだいぶ夏っぽい二日間だった!!
お世話になった皆さまありがとうございました。
月刊住職7月号は福井県 真宗出雲路派 長慶寺 泰園澄一法さんにインタビュー。社会福祉の分野でお仕事をなさってきた泰園澄さん(たいえんちょう園長だった時期も!)「ケアリーバー」という言葉は不勉強ながらはじめてお聞きしたが、児童養護施設や里親家庭の経験者の自立のために、僧侶が支援者となれるのではないか?という可能性を感じて活動をなさっている。
味の巡礼
中国四川料理 天鳳(三島二日町)
居酒屋 百味(所沢)
中国東北家郷料理 永利(池袋)
かさぎ屋(祇園四条)
ジビエの隠れ家(烏丸)