pilgryNOTE月報24.03|雪国の本堂をあたためる音と声
TMR/音の巡礼のこと
3月は久々に青森へ行くことができた。五所川原 法永寺にて、3月11日に行なわれた「東日本大震災追悼〜つむぐ日」を取材させてもらった。記事は近日中に「お寺のじかん」に掲載予定。
詳しいレポートについては記事の方をぜひ読んでいただきたい。録音してきた「音景色」については、SoundCloudにて既に公開中。この日はとにかく「声」と、3月の本堂を暖めようとしてくれているエアコンのがんばり音が素敵で印象的だった。
前日から青森入りをして住職の小山田和正さんと一緒に、アイヌ音楽のライブに行ったり、五所川原で(釣り吉にはふられてしまったけど、、、)やけにハイクオリティの料理を安価で出してくれる素晴らしい居酒屋に飲みにも行けて充実。小山田さん、ありがとうございました!
取材の後は八戸に移動して、二日目の夜は普賢院の品田泰俊さんとこれまたやけにうまいお店で一献。(青森は本当に美味しいものばかり!)
翌日の午後、普賢院にお参り。以前も見させてもらった新本堂へ。前回は、本堂がまだ稼働する前の段階だったけれど、今回は仏様も全てあるべき場所におさまりになっている。たくさんおられる諸仏とのご縁をいかに参拝者と結んでもらえるかという工夫などを色々とお話しした。
そして、新本堂で御詠歌も録音させてもらったので、近いうちに編集してまたSoundCloudにアップ予定。品田さんもありがとうございました!
音のこと
3月6日(水)8年ぶりのWilco、すごかった!22曲2時間、鳥肌の連続だった。スーパープレイヤー6人の佇まいだけで泣きそうになるというか、バンドやってくれていてありがとうという気持ち。
グレン・コッチェも相変わらず相当のやんちゃだし、ネルス・クラインの無双ソロも健在。ここまで癖すごプレイヤーがまとまるのは楽曲の巧みさ故かなあ。ジェフ・トゥイーディーすげえなあ。
個人的なハイライトは「Box Full of Letters」でのパット・サンソンのテレキャスターソロ。理想的なギターの音と、オールドファッションなギターヒーローの風情がほんとかっこよかった!
定番曲はだいたいやってくれたし(一番聴きたかった「Impossible Germany」もあった)、新曲も全て良かった。(特に冒頭の「Infinite Suprise」最高のはじまりだった)
ストーンズくらいの年齢になっても、この面子でやっててほしいなあ。
#ココナッツディスク 40周年おめでとうございます!
クレイジーキャッツのLP買ったら記念タオルもらえた。嬉しくなって思わず店員さんに「20年くらい前にバイトしてました。50周年を目指してこれからもがんばってください」とお伝えした。僕もレコード買い続けます。
毎年、3月28日には「三月の水」を聴く。我が身をニュートラルに戻してくれる音楽。また一年。今年もよろしく。
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それは夏を閉ざそうとする
3月の流れ、
それはきみの心のなかの
人生の約束
それは木、それは石、
それは切り株
ちょっぴり孤独、
ガラスのかけら、
お寺のこと
紹介がすっかり遅くなってしまったが『地域寺院』2月号にて、愛媛県今治市 大下島 本願寺派 法珠寺の加藤正さんを取材した。
今治からフェリーで1時間弱。人口約50名の離島にある法珠寺はまさに「地域寺院」。
加藤さんの妖怪版画が以前より好きだったので、幼少期に阿弥陀様を描いて外に向けて貼っていたというエピソードを、お寺で聴くことができて胸が熱くなった。
自分としては念願の取材だったので、多くの方に読んでいただきたい。(手元に数冊あるので、加藤さんをご存知の方にお分けしたい。読みたい方はご連絡を!)
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そして『地域寺院』は3月号で残念ながら終了となった。僕の寄稿はこれが最後。各地の「地域寺院」を巡る、まさに自分にうってつけの媒体であると、喜んで取材にでかけていたので残念でならない、、、。
意外にも各所から写真を褒めていただいたことも嬉しく、自分の撮った写真が大きく印刷される喜びを教えてもらった。これまでありがとうございました!
そんな『地域寺院』の記事は、転載許可もいただいていて、数ヶ月後に未来の住職塾noteに転載をさせていただいている。2023年11月号「尋坊帖」コーナーより、大阪府阪 日蓮宗 能勢妙見山 植田観肇さんへのインタビューを転載。
この取材も思い出深い。お寺さんの活動事例を取材し続ける中で、つくづく感じるのは「求められていることをやる」ことで、活路が開けてくるということ。
「循環葬」という妙見山というお寺においてはチャレンジングと思える取り組みも、一般目線を持つ方がパートナーであるからこそ、うまく走り出せたのだと感じる。そしてその提案を(それまでご自身が検討していた内容と方向性が近かったこともあるが)、取り入れる判断ができた植田さんならではの柔軟さがまた素晴らしかったのだ。
昨年よりずっと楽しみに待っていた絵本『そのとき門はひらかれた 法然上人ものがたり』、作者の中川学さんより贈っていただいた。
ページをめくると、色鮮やかな学さんの絵とわかりやすい言葉、そしてそれらが紙のうえに順序よく配置されていて、物語にぐんぐんと引き込まれていく。
一枚絵なのに「動き」や「時の流れ」が感じられるのは、学さんの絵と構成の巧みさ。デザインの力だと思う。
絵も言葉も整理されていて、ほんとうにわかりやすい。
そして、とあるページにいきつくと思わず「フハッ!」とさせられる瞬間が。歌に例えると「サビ」のような、心掴まれるページがある。まるで学さんが師と仰ぐ大瀧詠一さんのポップソングのような心地よい導入で、仏教の深き世界に誘ってくれる。
この本から、法然上人のことやブッダのおしえに興味を抱いて深めていかれる方は多いだろうと想像する。
この絵本が気になったという方は、ぜひ書店で本を開いてみて「フハッ!」となっていただきたい。
追記|僕の感想ツイートに対する、学さんからのリプライも最高!法然上人は天然色、なのです。
『月刊住職』3月号では、兵庫県加西市 曹洞宗 西福寺 住職の後藤太作さんにインタビューをお願いした。
後藤さんは、播州歌舞伎の発祥地にあるお寺として歌舞伎上演の復興をされた。地域で忘れられつつある播州歌舞伎の再興を目指した努力が実を結び、地域の人々に「お寺って楽しいこともやる場所なんだ」という一面を見てもらえたことが素晴らしい。
お寺のある地域の歴史に目をむけることで、貴重な文化資源を再発見できると、町おこし・お寺おこしにつながっていくという事例だった。今後の展開も楽しみ。
3/5(火) に曹洞宗総合研究センターさんにて特別講義を担当させていただいた。「寺院・僧侶のための 伝わる広報術 -Web活用編-」というテーマで、現在自坊でやっている発信の目的に立ち返り整理し、より効果的な手法を再検討していくようなことをやってみた。
若く熱心なお坊さんたちがしっかり受け止めてくれている様子がありがたく、質疑応答もなかなかの盛り上がり。終了後に控室まで訪ねてきて質問してくださる方もいて嬉しかった。
ご紹介してくださった、未来の住職塾 修了生の久松彰彦さんありがとうございました!
3/27(水)は、伊豆の国市 真宗大谷派 正蓮寺さんのご協力を得て、未来の住職塾 事例勉強会「お寺葬の可能性と実現方法を知る」を開催した。
渡邉元浄住職とパートナーを組む、ひとり葬儀社の佐藤常義さんのインディペンデント魂というかDIY精神に、「それでよかったんだ!」と気付かされることが多く、これから各地に佐藤さんのような人材が増えていくかもしれないと本当に思った。
佐藤さん、元浄さん、遠藤のトリオで「お寺葬伝道」に参りますという話も出て、本当にそんなお声がかかったら面白い。
そして、やはり対面の勉強会は楽しい。普段、お互いの活動や発信をSNSでみているから、そんなに久しぶりな感じがなくとも、いざ会ってみるとやはり交換できる情報量がちがう。お勉強外の雑談も良い。いい仲間であると実感。いつもありがとうございます。
未来の住職塾NEXTでは、受講生それぞれが自坊の「お寺の事業計画書」を作成し、カリキュラムの最終日にはこの計画を発表する会をやっていたが、コロナ以降はなかなか開催できなかった。
今回は久々の発表会ということで、令和5年度(R-5)の受講生たちの中から5名、令和4年度(R-4)の中から1名、計6名の発表希望者が登壇。それぞれにユニークな素晴らしい発表をしてくれた。
会場に集う聴講生、そしてオンラインでも全国各地のOBが参加し、質疑応答やアドバイスを行う。この質問やアドバイスからまた新たな気づきを得て、自坊の計画をよりブラッシュアップすることができる。
今回は特にこの、聴講生たちのアドバイスが非常に具体的で非常に的を射たものであったことを心強く感じた。開講してから13年が経ち、初期の頃に受講された方々はそれぞれに様々に実践してこられたことがよくわかった。
▼ 未来の住職塾NEXT R-6 は、4/20(土)まで受講生を募集中!
ポッドキャスト「ゆるやか死生学」、シーズン1最終エピソードはまとめ回ということで、遠藤も出演しててるみんと一緒に振り返りを行なった。
3月のこの時季に一つの区切りを迎えられることが嬉しい。
(そして4月に入って早速、次のシーズン2がスタート中。)
味の巡礼 - 休載のお知らせ -
全国津々浦々の「味の巡礼」ファンの皆さま、ごめんなさい!3月は慌ただしく過ぎてしまって、味な店のツイートを怠っておりました(味な店に行ってなかったわけでなく、、、)
3月は一回休みということで、4月は頑張ります!!
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