勝つために
高校サッカーは強化の目的で県リーグ、プリンスリーグ(各地方毎)、プレミアリーグ(全国)とレベル分けでリーグ戦を行っています。
僕の帯同しているチームは県の1部リーグで県内では力のあるチームが所属しているリーグとなります。
僕が帯同する5年前は2部リーグでしたが、帯同してから1部リーグへ昇格し、コロナもあり大会がない年もありましたが、3年連続で残留しています。
今年のチームは、春先から連敗が続き、リーグ戦、総体予選の公式戦計11試合中勝てた試合は2試合。
そのほかの試合は全て負け。
まぁ負けて楽しいチームは1部でほとんどいないので流石に選手も萎えてました。
僕のチームは総体が終わるとなぜか引退する風習が学校であります。
外部指導員なので何も言えませんが、高校サッカーは2度と訪れることの無い時間なのでめんどくさいとは無しにして続けた方が自分のためになるよと選手には伝えています。
今年の選手は5名だけ3年生が残りました。
チームのスタメンの大半が引退したので、夏休みになった途端新チームの作り上げ。
リーグ戦開幕はその2ヶ月後。
どうやってチームを作り上げるか。
まず僕がしたことは
・フィジカル面においては基本的な「体力」を作ること。
・練習のセッション間の「切り替え」を早くすること
・練習中人のために「声」を出すこと
これは、他のチームよりも圧倒的に差があったところ。
技術、戦術の差はほとんどない。これだけ。
そこを毎週の僕の担当フィジカルデイで徹底的に叩き込みました。
’’多くの3年生が引退した中で残った3年生がなぜ残ったのかを考えなさい’’
公式戦で勝つには、出ていない下級生の力は高校サッカーでは必ず力になる。
底上げを徹底的にしました。
徐々に思いが届いたのか、20名弱しかいない部員一人一人の意識が変わり、良いプレー、失敗したプレーに対して周りがポジティブな声かけができるようになりました。
足を攣る選手も減りました。
切り替えよう!の声が自然と出るようになりました。
夏休みが終わった後期リーグ3試合全て3連勝で残留を獲得。
11試合中2試合しか勝てなかったチーム。
スタメンのほとんどが引退したチームが全て勝利を手にする。
最終戦は、4年間公式戦で1度も勝てなかった県ではベスト4の常連校を粉砕。
フィジカルトレーナーは体ではなく、人間を包括的に分析してオフ・ザ・ピッチ、オン・ザ・ピッチどちらも強化する必要があると改めて感じる。
体を強化することは当たり前。そこ以外に目を向けるとよりチームにとって貴重な人材になれると思う。