物理研究者になりたい君へ ~必要なスキル~
物理研究者になりたい高校生、学部生は、絶対に読んだほうがいいと思います。
マジで。
こんにちは、博士課程単位取得退学者のぴくむんです。
いつもは人生において役に立つ情報を発信していますが、
この記事はターゲットを絞って研究者を目指す人に絞って発信します。
私は研究者を目指して、物理科学系の大学院に進学し、博士課程まで進みましたが、D3で力尽き、単位取得退学という形でアカデミックの世界を去りました。
今ではだいぶ博士課程の情報は出回っていますが、
失敗した人の情報というのは負い目を感じて発信されないことが多いと思いますが、勇気を出して、アカデミックの世界で討死した側からの目線を発信したいと思います。
研究者を目指したい人の役に立てればこれほど嬉しいことはありません。
本文
物理の研究者になる上で必要なスキルについて簡単に羅列する。
もちろん理論にいくか、計算にいくか、実験にいくかで必要なスキルが変わってくるがなるべく一般的に必要なスキルを書いていきたい。
英語
凡人研究者がつっかかる一番の壁である。研究者の成果は、ほぼ国際論文を何本出したかで決まる。その国際論文はおおよそ4枚から10枚程度と幅があるが、1万5000文字程度英語で書くことが要求される。
加えて、海外の人とやりとりすることは珍しいことではないので、それなりに外国人と英語でコミュニケーション能力が要求される。
そして、勉強する時も大体英語の資料を読まないといけないので、それなりにリーディングスキルも要求される。
それでは、どうやってこのスキルを上げていけばいいか。
リーディングに関しては、論文を読むしかない。最初は専門用語ばかりで嫌になると思うが、一度専門用語を覚えれば、グッと読むのが楽になる。最初の方は、1本読み切るのに1ヶ月程度かかると思うが、頑張ろう。
次に、英語コミュニケーション能力に関してだが、まずはスピーキングを頑張ろう。具体的に何を頑張ればいいかというと、
のように簡単な英文をとにかく練習するといいだろう。
何も考えず発せれるぐらいのレベルまで仕上げると、だいぶ物事が変わってくると思う。
最後に、ライティングに関してだが、これは正直、ネットの翻訳機能など充実してきているので、そのサービスを利用しながら書けばいいだろう。最初は、先行研究の英文を真似てもいいと思う。(丸写しはもちろんNG)
とにかく、日々頑張るしか道はないので、頑張って欲しい。
研究者の中でも、英語がずば抜けてできると、それだけでも一目置かれたりするので、努力する価値は絶対にある。
とは言っても、英語は正直便利なツールであり本質ではない。
もちろん物理研究者にとって本質は、物理である。
プログラミング
理論、計算、実験、解析
全てにおいてプログラミングは絶対に必須になってくる。
ガチの大規模計算がしたければ、FortranかCをするしかないが、
最近はpythonが無敵なので、入門はpythonからでいいと思う。
計算
Pythonを使って、計算ができるようになっておくこと。
具体的には、以下のようなことである。
https://takun-physics.net/10328/
例として流体方程式を上げたが、このような計算ができるようになっておけば、研究でも十分に役に立つと考えられる。
実験
実験系で言えば制御である。
制御の基礎はラズパイで学ぶといいと思う。
スタートは、こんな感じで自宅の温度と湿度を測ってみよう。
そうして、データを随時
時間、温度、湿度
の3カラムで吐き出すようなプログラムを組んでみよう。
これができたら、電子回路部分拡張していろんなデータを取るようにしよう。
光度とか音声とかいいんじゃないかな?
そんでIOTに指示を出して、デバイスの制御を行う。
私は、自宅で湿度に応じて加湿器のスイッチのONOFF制御をするシステムを作っていた。
解析と組み合わせる発展として、
のような感じで、音声データや振動するようなデータをとったときに、ノイズが入ると思うので、それを防ぐためにフィルターを自作したりすると、すごく応用がきくと思う。
解析
解析に関しては、まずはFFTから始めよう。
それができるようになれば、コヒーレンスを取れるようになろう。
実際には、このような感じで研究に使われている。
↓このよくまとまっていると思う。
これらができるようになったら、信号解析で色々調べてみよう。
もちろん、流行りの機械学習にも手を出してみてもいいと思うが、研究で使うかどうかは正直、テーマによるのでコメントのしようがない。
なんとなく研究者の世界では、一部の業界を除き、機械学習はそこまで歓迎されてないような印象をうける。機械学習は中身がブラックボックス化してしまうので、手放しで受け入れられるものではないというのが、なんとなく現場にいて感じた雰囲気である。
もちろん、企業には馬鹿受けうするので、そういう意味では、やっていてもいいかもしれない。
教科書を実装する力
紙に書いてある情報をいかに現実で実装できるかがポイントになってくる。
ここら辺の力は、先人の遺産があれば別に問題ないのだが、先人がいなければ0から実装することになる。というか私はなった。
その場合、教科書に書いてある薄っぺらい情報からなんとかして、現実に実装しなければならないが、その実装できるスキルは、日々実装し続けないと身につくことはない。
「式一本からシミュレーションしろ」というのは別に珍しくないというか、
私がそうだった。「D=0」を解けとしてか教えてくれなかった。
なので、このような状況に追い込まれても実装できる力を身につけるためには、学部生の中から、教科書を読み込んでおく必要があり、
教科書や問題集で勉強した式を実際に計算する習慣をつけておいたほうがいい。
とにかく自分で手を動かし続けるしかないと私は思う。
周りがどうであれ、自分のやりたいことをやり抜く力
これがかなり大事になってくる。
研究をしていると、なんとなく周りがざわついてくる。
ざわついてくるというのは、生活費の不安だったり、周りが成果を出したり、成果発表で根本を否定されたり、めちゃくちゃツメられることを指す。
このような状況に置かれたとしても、自分のやってきたこと、考えていることを貫き通す力が必要になる。
詳しくは、
自分の長所を伸ばし続ける力
これは賛否両論あると思うが、研究の世界にいると、いろんな人がいろんなパフォーマスを見せびらかしてくる。
それに対して、「俺はあんなことできない。」と落ち込んできて
自分のできないことをできるようにする努力をしてしまう。
これは非常にまずいのである。
研究者の世界では、汎用研究者なんて必要とされてない。
必要とされるのは圧倒的に何かに長けた人物であり、パーマメントを掴める人物というのは、唯一無二であるケースが多い。
彼がいなければ、研究自体が成り立たない。
そんな人物にならなければ、研究者の世界では冷遇されてしまう。
だから、自分ができないことを探してちょっとできるようになることよりも、
自分が少なくともこの分野のこれであれば
日本で一番俺ができるという長所を作ろう。
それがない限り、研究者の世界で生き残るのは非常に苦労すると思う。
長所が確立した上で、弱点を補おう、いろんなことに興味を持とう。
くぐれも私みたいに、対して成果をあげられてないのに、自分の弱点ばかりみて、いろんなことに興味を持ち、変なことに時間を割かないほうがいいと思う。
まぁその変なことに時間割いたからこそ、研究者の世界を逃げ出す時に役に立ったので、なんとも言えないところはあると思うが、結局のところはバランスである。
まとめ
基本的には、
・英語力
・論文を読む力
・教科書読んで式をプログラミングに落とし込んで計算する力
・データ解析力
さえあれば、あとは別に研究室に入れば、自動的に成長していくと思う。
大切なのはそれを一刻も早くやっておくというのが大切だと私は思う。
これを読んでいる高校生、学部生はおめでとう。
私はこの時期何をしていいかよくわからなかったから、TOEICと物理の問題集をやるだけやって、あとはボーリングにバイトにスノボで遊んでいた。
例えば、学部生の時に
株に興味を持って、株価の解析をしていたら全然違っただろうし、
電子工作に興味をもってラズパイしていたら全然違っただろうし、
シミュレーションというものを知っておけば、全く違っただろうし、
とありもしないifを考えてしまう。
何すれば分からんという人は、コメントしてください。
少しでも、これから出てくる研究者の卵の支援ができればなと思います。
何かあれば、連絡してください。
私の陥った失敗を避けるぐらいのアドバイスはできます。
もし自分に興味があれば自己紹介noteがあるので読んでくれると嬉しいです。
自分が研究者を目指していたときに、もっと先輩の情報が欲しいという思いをきっかけに、「博士の口コミ」サイトを開発しています。現在アルファバージョンを公開中です。もしよろしければ、簡単に使っていただき要望など教えていただけると非常に助けになります。
Twitter : https://twitter.com/pikum55
フォローしてくれると嬉しいです。
ありがとうございました。
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