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ワークショップデザイン

おはよう、こんにちは、こんばんは。
五百川です。
ファシリテーションの学び直しを始めて3回目の投稿です。
今回はワークショップについて学んだことをまとめました。

前回はコチラから

前々回はコチラから



ワークショップって何?

ワークショップとは、ずばり‥

ワークショップ(体験型講座)
参加者が体験を通して主体的に学ぶ講座やアクティビティ

講師の方からの説明だけでなく、体験を通して自分自身が学びや思考を実感することがワークショップです。
学びや思考は、自分で体験・実践することでより定着していきます。

ファシリテーターには、会議や研修会の進行だけでなく、参加者が体験や実践を通して学ぶことができるワークショップをデザインする力も求められます。

ワークショップデザインの4要素

ワークショップを目的達成に向けてデザインするためにファシリテーターが設計すべき4つの要素があります。

1.ねらい 
2.全体構成
3.世界観
4.空間

1.ねらい

ワークショップを創る上でまず考えることは「ねらい」です。
「ねらい」がズレると、ワークショップ全体のそもそもの方向性がズレていきます。

『誰のための、何のための場を創るのか?』
を考えて定めていきます。参加者がワークショップ終了後にどんな状態になっていてほしいのかをイメージしながら決めていくことが大切です。

私の場合は、
誰のため:小学生〜高校生
何のため:探究的な学びを通して、自ら考える力を向上させる
ワークショップ終了後の参加者の状態:自分自身のワクワクやモヤモヤに気づいている

といった具合で決めていくと思います。

狙いを定めるために2つの視点があります。
参加者の視点
参加者の状態や求めていること、興味/関心、状態を理解する
ヒアリング』すること
「想像」も必要ですがファシリテーターの先入観がはいるので、個々にヒアリングして、参加者の状態を把握することは欠かせないです。正しく「理解」をするためには相手に「聞く」ことが大事です。

全体の視点
プロジェクト最終ゴール、参加をしている個人の最終的な目標など
参加者や場が最後にありたい状態を捉えた上で、狙いを定めます。
まずは、1番大きい全体の「ねらい」を決めましょう。そこから、少しづつ各段階ごとの細かい狙いや各回ごとの狙いを決めていきます。

ただ、ねらいを定めていく時に気をつけないといけないことがあります。
それが「ねらいを定める時の5つの罠」です。

Ⅰ.自分本位:自分にだけ都合のいいねらいになっていないか?自分の価値観を押し付けていないか?参加者を置き去りにしていないか?
Ⅱ.手段の目的化:本質的な課題解決でなくツールの導入などが目的になっていないか?
Ⅲ.ネガティブ・他責:後ろ向きな気持ちからねらいを設定してしまっていないか?
例:△「どうすれば授業中に寝ずにすむか?」➡◎「どうやったら授業が楽しくなるか?」
Ⅳ.優等生問題:一般的に「良い」とされている課題になりすぎていないか?
例:「ポイ捨てを無くす方法」➡「ポイ捨てするより楽しいゴミの使い方」
Ⅴ.壮大:課題が大きすぎて具体的に考えられない課題になっていないか?かみくだき自分ごと化できる大きさに設定し直せているか?
例:△「全人類が幸せになる商品」◎「半径5メートル以内の人を笑顔にする商品」(人によって解釈が違う「ねらい」ではなく、参加者がイメージしやすい「ねらい」にする)

ねらいも全体構成も、ワークショップを設計する上で欠かせない要素です。ただ、時間をかけたら良いねらい、良い全体構成になるわけでは無いとも思っています。ねらいに沿って全体構成を考えていたけど、全体構成を練ってら、異なるアイデアが出てきてねらいを変えてみるというのもありです。具体と抽象を行き来するのと同じように、ねらいと全体構成をいったり来たりしながらワークショップを設計していくのは自然なことだと考えています。

2.全体構成

ねらいが定まったら次に行うのが、全体構成をデザインすることです。ここでのポイントは『順番とつながり』

順番とつながり:ワークショップをデザインする上でで考えるべきこと

会やワークショップの目的によって構成は変わりますが基本的なパターンとしては、
1.導入・・・アイスブレイク(メインにつながる工夫)やルール説明
2.メイン・・・目的達成のためのWS
3.まとめ・・・感想の共有や学びの共有
です。
導入やまとめがあるのは、雰囲気を明るくしたり、学びを深める意味もありますが、普段の生活とは異なる空間に入っていくためのウォーミングアップの意味合いもあります。

運動する時もいきなり激しい動きはしないですよね?
ワークショップも同じです。

ねらいも全体構成も、ワークショップを設計する上で欠かせない要素です。ただ、時間をかけたら良いねらい、良い全体構成になるわけでは無いとも思っています。ねらいに沿って全体構成を考えていたけど、全体構成を練ってら、異なるアイデアが出てきてねらいを変えてみるというのもありです。具体と抽象を行き来するのと同じように、ねらいと全体構成をいったり来たりしながらワークショップを設計していくのは自然なことだと考えています。

3.世界観

ねらいや全体構成がある程度定まってきたら、次は世界観を決めていきましょう。世界観とは、ワークショップ内でのグラウンドルールやリアルな体験を提供するための設定のことを指します。

グラウンドルール:場を創るために、参加者が守るべきこと。
➡グラウンドルールを参加者に浸透させることで場の雰囲気を創り込むことができます。

例えば、
自己開示のワークショップ:拍手、歓声禁止➡発言を評価しない
ブレインストーミングやアイデア出しのワークショップ:どんなアイデアや発言も否定しない➡アイデアを出しやすい雰囲気を創る
といったルールが挙げられます。

グラウンドルームづくりの手引き
1.行動基準
ルールがマインドベースだけになってしまうと、参加者によっては行動が変わってしまいます。具体的な行動を伝えましょう。
例:「評価しない」➡「ありがとうを伝える」
  「傾聴しよう」➡「相手の話を聞く時は目を見る」

2.禁止事項
場を崩さないためや、世界観を守るためにやってはいけないことを禁止事項として設定しましょう。
例:参加者の集中力を切らさないために「ケータイは機内モード」


ルールは場を創るために必要ですが、多すぎると参加者も覚えきれないですし、行動が制限されすぎると、思考も制限されてしまう可能性があるので数は3〜5つに絞りましょう。


設定:人・空間・物・活動に何らかの設定を与えること
世界観の補強することで、参加者はリアルな体験を提供し学びや気付きを実感しやすくなる。

少し分かりづらいので、例を見ていきましょう。
みんなで話すようなワークショップでは、発言する人がボールを持つことが多いと思います。これは、ボールに発言権という設定を与えています。ボールを持っている人が話すことで、参加者は発言する人の言葉に集中することができますし、発言したい事がある時は、ボールを持てば良いという安心感も生まれます。ボールに発言権という設定を与えることで、参加者が発言しやすい世界観を創っています。
他にも、達成度や満足感を図りたいときに、腕が目線の高さを50%にして、腕が上に上がれば上がるほど100%に近づき、下に下がれば下がるほど0%に近づくといった具合に腕の位置に設定を与えることで参加者の達成感や満足感を視覚化することもできます。

設定を行う4要素として、

人:参加者に役割りな人物像を与える。当事者としての感情移入を促進する効果がある
例:難民シミュレーション➡参加者=難民、ファシリテーター=入国審査官
空間:空間や場所に意味をつける。
例:ハンガーシミュレーション➡部屋の一部=国、床の線=国境
もの:ワークで使用するモノに意味を付与する。概念的なものを具現化することで擬似体験を促進します。わかりにくいことや伝えにくいことを視覚化する。
例:コップの水の量=自分の心
活動:ワークの活動に意味を付ける。概念的なものを具現化することで疑似体験を促進する。
例:ハイタッチの数=納得した

があります。

グラウンドルールや設定を駆使して、参加者を如何にしてワークショップの世界観に没入させられるかがポイントです。

4.空間

最後は空間設計です。
人は場の雰囲気に合わせて自分を変える生き物(空気を読む)という特徴があります。周りの雰囲気によって、自分の出す側面が変化します。
ファシリテーターは、参加者にどんな側面を出して欲しいのか?を考えて空間設計をしていくことが必要です。例えば、真剣に考えてほしい場面なら落ち着いBGMを流すなど『雰囲気』はとても大切です。そんな雰囲気は3つの要素から成立します。

3つの要素
照明 ②BGM ③声のトーン

①照明:照明の明るさによって、人のテンション・人と人との距離が変わってきます。明るければ明るいほど活発で心は外に向き、暗ければ暗いほど落ち着いて心は内にむきやすい。
アイスブレイクの時や、楽しい雰囲気、活発な議論を生みたい時は明るさや色のある照明などで場を演出します。自己内省や自己開示などの内向きの場では照明を暗くしたり、キャンドルなどで場を創ります。
(炎のゆらめきは、リラックス効果と自己開示の効果がある)
オンラインでは背景の色で場を演出するのがオススメです。

②BGM:音楽は参加者の感情に大きく影響を与えます。選曲は場の雰囲気やプログラムの目的によって変えましょう。音量は、自己開示や自己内省のときは小さめ、アイスブレイクや盛り上げたい時は大きくしましょう。BGMを流す際、ファシリテーターは動いて音が適切に聞こえるかを確認しましょう。

③声のトーン:ファシリテーターの最初の第一声、トーンでその”場”の空気は決まります。
高めで大きい声であれば、場の雰囲気は明るくなり、活発な場になります。
低めで静かな声であれば、場は落ち着いた雰囲気になり、参加者は雰囲気に沿った発言が増えます。

最後の空間は、普段の生活でも経験していることが多かったのではないでしょうか?かなりイメージはしやすかったと思います。


今日は、ワークショップの設計について書いてきました。
勿論、これが全てでは無いですが、基本的な要素は詰まっていると思います。あとは、実践をひたすら積んで”場”に慣れていきましょう。

私も、研修会や体験教室の企画など毎月1つ以上は”場”を設計する機会があるので今回まとめたことを意識しながらデザインしていこうと思います!

最後まで読んでくださりありがとうございました。


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