早過ぎるし、もったいない。
急に寒くなった。秋というよりもすでに冬に突入したんじゃないかとツッコミを入れたいぐらいの寒さだが、気づけば暦の上ではもう10月も半ばを過ぎているのだ。
カレンダーが正しいのか、気候が正しいのか。
そもそも、10年前の同時期にどんな気候だったのかも、もう記憶にない。10月といえば秋真っ只中で過ごしやすい気候のもと、紅葉を楽しんでいたような気もする。
そうであれば、つい3日前まで30度近くに上がっていた気温は完全にバグっているとしか言いようがない。そしてこの日の最高気温は20度前後。最低気温に至っては10度強という、10年前の自分が聞いたらウソにしか聞こえない気温差だろう。
ただ、世間は粛々と季節の移り変わりを先取りしており、9月に入った途端にハロウィン一色となったお店のディスプレイは、早いところではすでにクリスマスの様相を漂わせている。どこかのお店を窓越しでのぞいた時、クリスマスツリーが飾ってあった。
ハロウィンは10月31日。今日は10月18日である。1ヶ月半も前では、いくらなんでもイエス様はまだ誕生日を迎えるような心構えはできていないだろうし、ジャックオーランタンは頭の中のライトアップもままならないのではないか。
かぼちゃはまだまだ食べごろなのである。
世間は先取り先取りで動く。洋服店などは夏に入ったと思ったらすでに夏物セールと秋物のディスプレイに入るし、コンビニは夏の内からおでんや中華まんを売り出す。
9月にハロウィンの装飾が始まるのは前述の通り。10月に入ると、飲食店ではクリスマスどころかおせち料理の予約のお知らせが至るところで見受けられた。イエス様にしたら「あの…言いにくんですが私の誕生日祝いまだなんですけど…」だろう。
お店にしたら印象付ける為にも他店より先に仕掛けていきたいという思惑もあるのだろう。こぞって早めていく為に、年々移り変わりが早くなっている気がする。
でも、ちょっと待ってほしい。
時代の移り変わりが早いとはいえ、現代人はあらゆることを先取りしすぎてやしないだろうか?
節分の日に恵方巻きを食べたり、土用の丑にウナギを食べたり、クリスマスに向けてシュトーレンを食べるなどのように、〇〇の日に縁起物の何かを食べる風習がビジネスの場として定番化するのは、まぁよしとしよう。
でも、予約と称してイベントの1か月以上も前からムード全開にされると、いったい今がどの季節なのかがよくわからなくなってくる。
季節の移り変わりをゆっくり味わう余裕もなく、秋を感じようと紅葉狩りの最中に、ふとコンビニに立ち寄ればおせちの予約受付ポスターを見せられ、否が応でも来年のおせちのことを考えさせられてしまうのだ。鬼が笑うどころか、やっぱりイエス様の立場がないではないか。
そんな先のことばかりに囚われてしまっていては、何よりも大事な「今」を生きることが疎かになってしまう。マインドフルネスもへったくれもない。
どこへ行っても先々のことばかりを脳に植えつけらてしまうこの現代社会で、今を楽しむ方法としてこのように日記を書いて日々の情報や自身の感情を記録しておくというのも、自分だけの時間を守るいい機会なのかもしれない。
しかし、何年経ってもぼくは「ハロウィン」というイベントが自分の中でしっくりこないんだよなー。
他にもそんな人、いない?
じゃあ、またね。
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