声のフェティシズム
私には癖(へき)がある。タイトルから既にお察し頂いたかもしれないが、「声」のフェチである。
男女問わず、素敵な声を持っていれば好きになる。耳が幸せでいっぱいになる。
勘違いして頂きたくない点は「音」のフェチではない、つまり ASMR ではないということ。
人の声に興味があり、その声が素敵であれば他は一切無視でその人自身を好きになれる。
そして嫌な声を持っている人とはできる限り距離を置きたいと考える。声が聞こえなくなるくらいには離れたい。ほとんどの場合、イヤホンをして少しでも聞こえることがないようにはしているが、それでも物理的にその人とは距離を置きたい。
ここまでくると声は関係ないと思われるかもしれないが、その人の人格にも関わる重要な要素だと私は考えている。
(私が考える基準の)良い声を持つ人は、みな良い人ばかりだと目に映る。実際にはバイアスが掛かっているのだろうが、たぶん本当に良い人なのだと思う。
私は声を聴くだけでその人が危険かどうか、信用しても良いものなのかを判断できることが多い。
恐らく良い声の人達は、自分自身が良い声であることを無意識の内に認識しているのだと思う。自身から発せられる良い声が、自分自身のものであることを認識した時、自己肯定感が強くなるのだと思う。静かな自信を持ち、穏やかである印象を受ける。
低音が心地よく、艶やかで、伸びやかで、声色が焦っておらず、落ち着いていて、裏返らない安定感のある声が私の考える良い声だ。
逆にヒステリックな声を持つ人は性格もヒステリックでメンヘラなことが多い。先ほどとは反対に、自身から発せられるヒステリックな声が、自分自身のものであることを認識した時、精神的にダメージを受けてしまうのだと思う。
そして当人の気付かぬ間に人格そのものが悪い方へと変容してしまう。恐ろしいのは無自覚であることだ。
私の考える嫌な声とは、高音域が金属のような昔ながらのアニメ声、しゃがれた声など、上記に挙げた良い声の条件に当てはまらない声全般である。伸びやかでも耳を刺すようなアニメ声や落ち着いていても任侠モノで聞くことができるドスの効いた声などは NG だ。
努力では変えることが難しい要素。その人の天性。声。
フェチの対象として、これ以上にない美しい概念なのである。
現代において Youtube を始めとした様々なコンテンツが登場し、素晴らしい声を聴き続けることができるこの時代、そしてこの環境が整っている日本に生を受け、生きていることを私は幸せにふと思う。
ここで私が昼夜問わずお世話になっている(耳がエクスタシーを感じる)コンテンツを共有しようと思う。以下、敬称は省略して紹介する。
※すべて公共の場で閲覧できるものなのでご安心頂きたい。
まずは ハマ・オカモト, Licaxxx, iri の素晴らしい声の持ち主達による三重奏を堪能できるこの動画。コンテンツ自体もリラックスしていて、かつ爽やかなので精神衛生上とても良い。そればかりか声の質(特に iri の声)が良過ぎるので、耳を大変喜ばせてくれる。
お次はソロでも CRCK/LCKS というバンドでも活躍しているアーティスト 小田朋美 による KORG 製品紹介動画。
この方は歌う時のキーが高いのだけれども、デモンストレーション後にある解説時の声が地を這っているようなしっかりとした、それでいて高貴なトーンで私を幸せな気分にさせてくれる。
そして 永作博美 出演のチョコラBBのCM。この人の声はいつ聴いても安心できる。
CM最後にちょっと出てくる男性の声もかなり安心感があってすごく良い。
芸能人は他にも、岡田准一, 小松菜奈, はる, 永山瑛太, 松田龍平 などなど素晴らしい声の持ち主がたくさんいらっしゃる。
しかし 仲間由紀恵, 天海祐希 などの声は若干、私の基準からは外れる。何というか、発音する際に高音域がピークに達しているような声質なのだ。圧迫感を感じてしまうので苦手だ。
全ての人物を紹介することはできないが、何となく私の良いと思う声のイメージが掴めたのではないだろうか。
海外にも Tash Wolf, John Mayer, Zooey Deschanel(女優), Norah Jones 他、素晴らしい声を持っている人がいる。Youtube というインフラが整っていることで、いつでも理想の声に出会える私はとても幸運である。
もちろん直接会って話すことでスピーカーからは聴こえない周波数帯を全身で浴びることができるので、できればオフラインで聴いてみたいものだ。
典型的なアニメ声はまったく受け付けないが、蟲師というアニメに関しては物語の世界観を含めて素晴らしいコンテンツである。絵も音響も全てが絶妙な間隔で同居しているのだが、特に声優さんの声が心地よい。
深夜、眠くて仕方がなく虚ろな状態で蟲師の音声を耳に入れることが幸せでたまらない。
こちらは Amazon Prime 等のサービスで観ることができる。
Youtube でも転載された動画を見ることはできるが、絵も音も質が悪い(おまけに余計な字幕も入ってる)のでオススメできない。せっかくの時間を品質の悪いものにわざわざ費やすことはない。
話の内容だけを知りたいのなら止めはしないが、私はあくまでも声フェチの観点からこのコンテンツを紹介しているため、話の内容については保証しない。
私は良い声が収められた動画があればそれをリピートして聴き続けてしまうため、他の良い声を開拓することが億劫だ。質の良い動画を見つけるのが大変ということもあるが、探している中で嫌な声に当たるリスクもあるからだ。
特に多いのが、良い声の持ち主に対するインタビュー動画において、聞き手役の声が嫌な声だった時。タイトルとサムネに釣られて見てみたは良いものの、インタビュアーの声が耳を突いてきた時に「...やられた。」と思ってしまう。
テンションが下がってしまうので一旦、いつもの動画で気分をリセットする必要がある。時間というコストが掛かってしまうことも、探すことが億劫になる要因の1つである。
これをお読みになった皆様におかれましては、是非「声フェチである私の基準を満たした」良いコンテンツがもしあれば連携して下さるとありがたい。