キャロル表の読み方、キャロル表をいつ使うべきなのかを 自分なりにできる限り詳しく分解してみた記事
【キャロル表を扱う問題についてのイメージ共有 前フリ】
科目 A に合格 30人、科目 B に合格25人、科目 C に合格20人、科目 A と C に合格 18 人・・・といったパターンの問題文が出てきた時に、大きく2つの方法が知られています。1つがベン図、もう1つがキャロル表です。
ベン図については、3つの条件のベン図が公務員教養試験(大卒区分)ではやや頻出テーマです。典型例が https://yaku-tik.com/koumuin/h24-senkyou-16/ となります。
本記事のテーマは、もう1つのキャロル表についてです。まずキャロル表とは、以下のような表のことです。左側が条件1を満たす範囲、右側が条件1を満たさない範囲です。同様に上側が条件2を満たす範囲、下側が条件2を満たさない範囲となります。最後に、真ん中の ▢ の内側が条件3を満たす範囲となります。
条件1を「京都に行ったことがあるかないか」
条件2を「奈良に行ったことがあるかないか」
条件3を「札幌に行ったことがあるかないか」としてみましょう。
実際の試験問題では
・京都に行ったことがある人は30人
・京都に行ったことがあるが、奈良に行ったことがない人は15人
・・・
といろんな条件が与えられた上で
「それでは京都に行ったことがあるが、奈良と札幌に行ったことがない人の人数は?」といった問題と出会います。ここまでで、前フリおしまいです。
【本題1 キャロル表の読み方】
1-1:4つの広がり(外)と4つの空間(内)
条件3つ全てに注目した場合について から始めます。
つまり
「京都◯奈良◯札幌◯、京都◯奈良◯札幌✕、京都◯奈良✕札幌◯、京都◯奈良✕札幌✕、京都✕奈良◯札幌◯、京都✕奈良◯札幌✕、京都✕奈良✕札幌◯、京都✕奈良✕札幌✕」の8パターンに注目します。
これらはキャロル表のどこと対応するのでしょうか?
結論は
「4つの広がり(外)」 と
「4つの空間(内)」が対応します。
以下、図の中に書き込んで補足します。
・左上 黄色部分は「左上 かつ 内側の▢に入っていない」ため、京都◯奈良◯札幌✕ と対応する部分です。空間的にどこにあるか と 条件の◯✕対応を自分でも読めるようになれば、キャロル表マスターが近づきます。ぜひ自分で確認してみてください。
・右上 黄緑部分は 京都✕奈良◯札幌✕ です。
以下、左下 赤色部分、右下 青色部分 も同様に確認してみてください。
以上が4つの広がり部分です。
「4つの空間(内)」は
上の4つの広がりイメージにおいて、色が塗られていない内側の空間です。条件1の縦線と、条件2の横線によって、やはり4つの部分に分けられていることが見て分かると思います。
内側 左上は 京都◯奈良◯札幌◯ です。
内側 右上は 京都✕奈良◯札幌◯ です。
内側 左下は 京都◯奈良✕札幌◯ です。
内側 右下は 京都✕奈良✕札幌◯ です。
「京都◯奈良◯札幌◯、京都◯奈良◯札幌✕、京都◯奈良✕札幌◯、京都◯奈良✕札幌✕、京都✕奈良◯札幌◯、京都✕奈良◯札幌✕、京都✕奈良✕札幌◯、京都✕奈良✕札幌✕」の8パターン と キャロル表の各部分の対応については、これで大丈夫です。
1-2:
では次に 条件2つに注目してみます。京都、奈良に注目すると 京都◯奈良◯、京都◯奈良✕、京都✕奈良◯、京都✕奈良✕ の4パターンです。
2つの条件の選び方がほかに「京都と札幌」→4パターン、「奈良と札幌」→4パターンがあります。従って、全部で12パターンがあります。
これらはキャロル表のどこと対応するのでしょうか?ここがキャロル表の醍醐味で、わかれば楽しくなるところです!
結論は
「4つの角の頂点」と
「外側において辺をまたぐ所」と
「内側において辺をまたぐ所」が 対応します。
例えば「京都◯奈良◯」というのは
「京都◯奈良◯ 札幌◯ (内側左上)」と
「京都◯奈良◯ 札幌✕(左上黄色部分)」の和 です。
そのため左上の頂点と対応します。
例えば
京都◯奈良◯ 札幌◯ が 8人で
京都◯奈良✕ 札幌◯ が 4人だった場合
「京都◯ 札幌◯ は 12人」というのを
キャロル表に数値を以下のように書き込み、和を計算することで見つけて表すことができる、ということになります。
1-3:
最後に 条件1つに注目してみます。京都に注目すると 京都◯、京都✕ の2パターンです。
条件が他に 奈良→2パターン、札幌→2パターンとあるので、全部で6パターンです。
これは 「中央1点+2辺の交点」が対応します。※ただし、札幌 ✕ に対応する部分だけ存在しません。
以上がキャロル表の読み方をできるだけ分解してみた解説となります。
では、ベン図との違いは何なのでしょうか?
ベン図は キャロル表の読み方1-1でやった
「京都◯奈良◯札幌◯、京都◯奈良◯札幌✕、京都◯奈良✕札幌◯、京都◯奈良✕札幌✕、京都✕奈良◯札幌◯、京都✕奈良◯札幌✕、京都✕奈良✕札幌◯、京都✕奈良✕札幌✕」の8パターン、つまり 最も細かい分類を一目で分かるようにしているという特徴があります。
そして、条件1つだけであったり、2つだけについては、8パターンの和として表せばよいという割り切り方をしているといえます。そのため、実際に解く時には少し長めの式(a + b + e + f = 31 といった形)をつらつらと並べて整理することになります。
キャロル表では、特に条件が対等である場合(大人30人、子ども20人の要な場合)に、数値を書き込んでいった時に、和として表から求めやすいことが多い という点から使い分けるとよいようです。
以上になります。
以下は私見ですが
キャロル表を用いた方が便利である問題というのは、少なくとも国家公務員高卒試験、大卒一般職試験においては見られないように思えます。
また、市役所等においてもベン図でも解けることから、まずはベン図をマスターした方がよいのではないかと、個人的には考えます。