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「非」北欧生活|13. ぼくが長年住んでいない国の選挙に行く理由

もい。

久しぶりにフィンランド大使館に行ってきた。
大使館に行く用事が数年に一度くらいしかないので、毎回なんだかワクワクしちゃう。日本なのに、フィンランド人のスタッフがいてフィンランド語で接客されるという、ちょっとした非日常体験。

今回大使館を訪ねた理由は、議会選挙だった。成人してからずっと住んでいない国の選挙に行くのは少し不思議な気分になる。ほんとにいいのかな…?みたいな。自分の未来のために、というより、フィンランドにいる家族や友人のために投票する。恥ずかしながら政治のことは全く分からないけど、選挙の時だけ色々調べたりするのも楽しいし大事な機会だと思っている。

フィンランドが独立したのは役100年前。若い国というのもあって、選挙に対する関心が割と高いように感じる。フィンランドの小学校に通っていた頃も、親は誰を投票するのかを同級生と話したりしていた。学校で投票ができる、未成年の選挙もあって、投票結果は毎回投票率と共にメディアで発表される。

今回は大使館で投票ができる最後の日で土曜日と言うこともあって、割と人が並んでいた。あとで大使館のホームページを見ると、東京で投票したフィンランド人はなんと200人もいた。そもそも、そんなにいたの!?と驚き。(笑)
日本でフィンランド人に会うことはまずないので、ぼくもドキドキしながら自分の番を待っていた。ぼくの場合は、見た目も一般的なフィンランド人じゃないので、目線を感じて余計に緊張する。みんながパーソナルスペースをしっかりとって静かに待つ、ここはしっかりフィンランド。この、微妙に気まずい感じがなんだか心地良い。一人の気さくな男性に挨拶されて、ちょっとしたトークができたのも嬉しかった。

大使館で待っていたのは公式キャラクターのフィンたん。

投票し終わって満足感がすごかった。これこそ、今年一の北欧活なのかもしれない。日本にフィンランドの友達が一人もいないので、少し寂しい気分にもなった。大使館に来る人はみんな友達や家族などと一緒に来ていた。フィンランドでは、選挙に行った後に pulla プッラ(北欧の菓子パン)を食べてコーヒーを飲む文化がある。国民としての義務を果たした後の自分への子褒美みたいな感じで。あー、ぼくにも一緒にプッラを食べてくれる友人をください。

ムーミンパパとコーヒータイムできたかもしれない。

そんな感じで、ぼくは日本に住んでいてもフィンランドの国籍を持っている以上は選挙には行く。独立して、自分たちで理想の環境を作れる権利だと思っている。中々そう簡単にも行かないけど。あとは、数年に一度のちょっとしたイベントとして毎回楽しみにしてしまう。今度こそちゃんとフィン人の友人を作って一緒に行く。

では、

もいもい!

クー🌛

今週のリアルフィンランド語 
vaalipulla ゔぁーりぷっら
= 選挙プッラ (プッラ:北欧の菓子パン)
投票したあとに食べるプッラ。今年も色んなメディアで、投票する政党でプッラの種類が決まるプッラ診断を見かけた。
*こちらで紹介するフィンランド語は日常で使う方言又はスラングになりますので、いわゆる正確な書き言葉でない場合もあります。

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